JVCケンウッド、23年4月~24年3月期の事業利益は24.5%増 今期は微減を見込む

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2025年3月期通期業績予想

JVCケンウッドは4月26日、2024年3月期の連結業績(2023年4月1日~2024年3月31日)を発表した。

当連結会計年度における同社及び連結子会社の全社売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業が堅調に推移したことなどから前年同期比で増収となり、全社事業利益は増益となった。全社営業利益については前年同期比で減益となったが、前期の第3四半期連結会計期間に計上した固定資産譲渡益(約97億円)の影響を除けば、前年同期比で大幅な増益となった。

売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の販売が、前期に引き続き非常に好調に推移したことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業、エンタテインメント ソリューションズ分野のエンタテインメント事業の販売が堅調に推移したことなどから、全社では前年同期比で約225億円増(6.7%増収)となる3,594億5,900万円となった。

同社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを事業利益としている。事業利益は、上記のとおり増収となったことなどから、前年同期比で約39億円増(24.5%増益)となる197億1,000万円となった。営業利益は、事業利益は増益となったものの、前期は第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したことなどから、前年同期比で約34億円減(15.8%減益)となる182億2,600万円となった。税引前利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約29億円減(13.8%減益)となる182億4,500万円となった。親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が減益となったことなどから、前年同期比で約32億円減(19.8%減益)となる130億1,600万円となった。

モビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約19億円増(0.9%増収)となる1,994億3,500万円、事業利益は同約5億円減(11.9%減益)となる38億7,100万円となった。なお、事業利益には為替ヘッジによるマイナス影響として約32億円が含まれており、この為替ヘッジによる影響を控除して算出した同分野の事業利益は、前年同期比で増益となっている。

セーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約191億円増(25.6%増収)となる937億5,500万円、事業利益は同約58億円増(54.4%増益)となる164億8,500万円となった。

エンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約13億円減(2.2%減収)となる559億7,800万円、事業利益は同約11億円減(132.2%減益)となる2億5,700万円の損失となった。なお、メディア事業の業務用カメラ事業は、2024年3月期の市況などを考慮して業容を縮小することとし、これにともない第3四半期連結会計期間に構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上した。事業利益にはこの損失引当約8億円が含まれている。

2025年3月期通期業績予想は、売上収益を前年比0.7%増の3,620億円、事業収益を同3.6%減の190億円、営業利益を同0.1%減の182億円、税引前利益を同1.3%減の180億円、親会社の所有者に帰属する当期利益を同4.0%減の125億円と見込んでいる。

2025年3月期は、セーフティ&セキュリテイ分野の無線システム事業の好調な販売や、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業の堅調な販売を見込むことなどから売上収益は増収となる見込みだが、為替ヘッジによる影響を約9億円受ける見込みであること、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業で人員増強、開発投資を実施予定のため、事業利益は減益を見込む。

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