「ラグビー合宿の聖地」に活気再び 10年ぶりに日本代表も 長野

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強化練習会で汗を流す選手たち=長野県上田市菅平高原のアンダーアーマー菅平サニアパークで2024年4月28日、鈴木英世撮影 拡大
強化練習会で汗を流す選手たち=長野県上田市菅平高原のアンダーアーマー菅平サニアパークで2024年4月28日、鈴木英世撮影

 長野県上田市の菅平高原で、再びラグビー熱が高まっている。市営の運動施設で同市初のネーミングライツ契約が結ばれ、ラグビー日本代表の合宿も今月、10年ぶりに行われる。コロナ禍を経て「ラグビー合宿の聖地」はかつての姿を取り戻しつつある。【鈴木英世】

 上田市は2月、スポーツブランド「アンダーアーマー」の日本総代理店「ドーム」(東京都江東区)とネーミングライツ契約を締結。2施設が4月、「アンダーアーマー菅平サニアパーク」「アンダーアーマー菅平アリーナ」の名称になった。グラウンド5面に陸上競技場などを併設するサニアパークは菅平を象徴する施設だ。

 そのお披露目イベントが4月28日、サニアパークで開かれた。ドームの北島義典・最高経営責任者(CEO)は「上田市と一緒に、全国から集結し懸命に研さんする学生アスリートを精神面、環境面から支えていきたい」と語った。上田市の土屋陽一市長は「菅平高原に、より多くの人に来てもらえるよう、交流していきたい」と連携していく考えを示した。

選手に声を掛ける元ラグビー日本代表主将の広瀬俊朗さん(右)=長野県上田市菅平高原のアンダーアーマー菅平サニアパークで2024年4月28日、鈴木英世撮影 拡大
選手に声を掛ける元ラグビー日本代表主将の広瀬俊朗さん(右)=長野県上田市菅平高原のアンダーアーマー菅平サニアパークで2024年4月28日、鈴木英世撮影

 長野県内の中高生約200人を対象にした強化練習会も行われ、元ラグビー日本代表主将の広瀬俊朗さんが参加。菅平高原には、高校時代から合宿などで訪れていると言い、「99・9%が大変な思い出だけど、ここで頑張ったことが活躍につながったりした、大好きで大切な場所」と振り返り、選手らの質問に答えながら、プレーの指導に当たった。

 菅平高原には100を超えるグラウンドがあり、毎年、夏の合宿期には約1000チーム(サッカーを含む)を受け入れてきた。強豪チームが集まり、合宿中に行われる練習試合を目当てに数多くのラグビーファンも訪れた。

 ラグビー人気は、日本代表が強豪・南アフリカを破った2015年のラグビーワールドカップ(W杯)イングランド大会、19年のW杯日本大会を経て、さらに高まると期待された。ところが20年、コロナ禍が直撃。合宿チーム数は19年の1037から70に激減した。

 新型コロナウイルス感染症が5類に移行した23年、878に持ち直し、今年はコロナ前と並ぶ1000チーム超の来訪が予想されるという。

ネーミングライツ契約のお披露目イベントで選手たちと記念撮影する関係者たち(奥)=長野県上田市のアンダーアーマー菅平サニアパークで2024年4月28日、鈴木英世撮影 拡大
ネーミングライツ契約のお披露目イベントで選手たちと記念撮影する関係者たち(奥)=長野県上田市のアンダーアーマー菅平サニアパークで2024年4月28日、鈴木英世撮影

 5月20~29日には日本代表選考合宿も実施される。菅平高原観光協会の下平雅信理事長は「代表合宿があるのは、設備や環境が整っていることの証明。質を高めて選手をサポートしたい」。準備は着々と進んでいる。

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