私が彼を自由に ジョン・レノン、妻公認の愛人がのぞかせたプライド
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ジョン・レノンとオノ・ヨーコ。「愛と平和」を歌う世界一有名な夫婦には、妻公認の愛人がいた――。中国系アメリカ人女性、メイ・パンさん(73)。熱心なビートルズファンなら耳にしたことはあるかもしれないが、その実像はあまり知られていない。そんなスーパースターと元愛人にまつわるドキュメンタリー映画「ジョン・レノン 失われた週末」が間もなく公開される。長くカリスマ夫婦の陰に隠れていた出来事について、メイさん本人に話を聞いた。
本題へ入る前に、ジョンの公になっている女性遍歴をおさらいしたい。英リバプール出身の4人組バンド「ザ・ビートルズ」としてデビューするのが1962年。既に最初の妻シンシアと結婚しており、翌年には長男ジュリアンが誕生する。世界中の人気者となり多忙を極めたため、家庭を顧みることはなかった。その後、前衛芸術家の日本人、オノ・ヨーコとの交際を機に離婚し、69年にヨーコと結婚。ジョンは拠点をイギリスから米ニューヨークへと移した。
余談だが、ジュリアンのことをかわいがっていたのはポール・マッカートニー。ジョンとシンシアの離婚の際、ジュリアンを励まそうと作った歌が「ヘイ・ジュード」というのは有名な話だ。
「夫と付き合って」 困惑も恋愛関係に
メイさんが2人とつながるのは70年代に入ってからだ。中国系移民2世として50年に生まれ、ニューヨークのスパニッシュハーレムで育った。ロックミュージック好きが高じて音楽業界へ入った後、ジョンとヨーコの個人秘書となる。
ジョンは当時、ヨーコと共にベトナム反戦運動の象徴的存在となっていたが、ニクソン政権からにらまれ、米連邦捜査局(FBI)に監視される日が続いていた。解散状態となっていたビートルズのことや、ソロ作品が酷評されるといったストレスが重なり、ヨーコとの関係は次第に悪化。映画では、ヨーコの目の前で他の女性と性行為に及んだなど生々しい証言が飛び出す。
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