歌舞伎俳優で人間国宝の坂東玉三郎(74)が1日、京都市内で「坂東玉三郎特別公演」(南座、6月12~26日)の取材会を行った。

女形屈指の難役「壇浦兜軍記 阿古屋」を同劇場では5年ぶりに再演。「阿古屋」上演前には、玉三郎による「口上」と、「阿古屋」解説(片岡千次郎)も行われる。

「今年は何をするか? となった際、南座さんから『ぜひ、阿古屋を』とお話をいただきました。初めて見る方、若い歌舞伎ファンの方にも親しめるよう、口上と解説をさせてもらいます。歌舞伎独特の華やかさ、いい音楽を感じてほしい。たとえ細かい内容が分からなかったとしてもいいんじゃないですか」

共演は千次郎、坂東功一、中村吉之丞。「わたしが玉三郎を名乗った頃から、歌舞伎俳優は半分ほどに減りました。今回は短期間の公演ですが、適材適所の配役。少しずつ層を厚くしていきたいと思いますし、お客さまに満足してもらえたら」と抱負を語った。