アルビレックス新潟MF長谷川元希(25)がホームでの3日サンフレッチェ広島戦先発フル出場に向け、松橋力蔵監督(55)に猛アピールを続ける。「攻撃は時に強引さも必要。相手の受け身にならず仕掛け続ける」。ゲーム形式の練習ではドリブルで狭いエリアに潜り込み、強烈なショットを次々と放っている。

前節27日FC東京戦(1-3)は3点を追う後半28分から途中出場。「頑張る、走りきるといった根本的な部分がチームに見えなかった。自分が姿勢で示すことを意識した」。熱い思いを持って守備に走り回り、攻撃では積極的にパスを引き出して勢いをつけた。与えられたプレー時間で試合をひっくり返すことは厳しかったが「1点取ったら(自分の評価も試合状況も)変わる。数字をもっと残さないといけない」と語気を強める。

昨季まで在籍したJ2ヴァンフォーレ甲府では絶対的な主力だったが、今季は出場10試合のうち先発は2試合のみ。ベンチスタートからゲームの流れを変える役割が多い。ジョーカー起用となった3月9日名古屋グランパス戦では後半43にJ1初ゴールとなる決勝点を挙げるなど松橋監督の期待に応えるが、現状に満足はしていない。「自分にイラつくが、何かしら足りない」と課題に向き合い、全体練習後はシュート技術や筋力アップに時間を割く。

初のJ1舞台は10試合を消化。ここからの飛躍に向け、助走は終えた。力強さと技術が融合したドリブル、創造性あふれるパス、強烈なシュートで攻撃を操るファンタジスタは「シンプルと大胆さを使い分け、常に前を意識してプレーする」。ボールを持ったとき、何かを起こす。【小林忠】

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