日常を破壊せよ! 狂気と試行錯誤と「オダウエダ」
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「植田、お母さんにそっくり」「どういう意味で」「全然立たないから」。2人は笑う。
ネタ作りをする芸歴11年目「オダウエダ」。ホワイトボードの前に立つ小田結希さん(28)には、椅子に座る植田紫帆さん(32)と、植田さんの母の姿が重なった。
NSC(吉本総合芸能学院)からの帰り。スベったライブの帰り。東京へ行く夜行バス乗り場へ。エルグランドで、送迎してくれた。そんな時、運転席から一歩も動かず、いつも2人を見守っていた植田さんの母。先日亡くなった彼女は、小田さんにとっても大阪の母のような存在。2人が培ってきた時間が、ネタ作り中の会話に漂う。
5日に「ルミネtheよしもと」で行う2回目の単独ライブ「惑星オダウエダ」に向けて進むネタ作り。「文字で書いて出されるより、絵で見せられたり、テンション感とか言葉とか、映像的なところからいくのがお互いに共通してる」。イメージを共有し、2人で形にしていくスタイルをとっている。
2021年「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝。独特な設定から、狂気の世界へ走っていくコントは頭をかき乱し、訳もわからず笑ってしまう。2人を知るほど面白さが増していく。
昨年、お笑い番組「ジョンソン」の芸人大運動会では、植田さんがスクール水着でリレーを走り、体格をいかした「画力」で衝撃を与えた。コンプライアンスが厳しい今、下ネタも用い、ユーチューブやラジオでも真っ向勝負する。しかし、2人のキャラクターもありどこかすがすがしく、何より内容の面白さで不快感がないのだ。そこには楽屋やライブで失敗を重ね得た、ギリギリの線引きがある。
「とっぴなボケをする芸人でありたい」。この思いが、狂気のネタでも、メディアでのきわどい展開でも、オダウエダにしかない…
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