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「脱石炭」の圧力に抵抗してきた日本 G7廃止期限合意の影響は?

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欧州最大級の石炭火力発電所=ポーランド中央部で2023年11月22日、ロイター
欧州最大級の石炭火力発電所=ポーランド中央部で2023年11月22日、ロイター

 イタリア北部トリノで開催された主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合は30日、G7として初めて、石炭火力発電の廃止期限を盛り込んだ共同声明を採択した。

中国、インドに削減努力促す契機に

 2020年代に入り、G7で各国は「脱石炭」に向けた圧力を強め、日本は厳しい立場に置かれてきた。日本以外で石炭火力の廃止時期を定めていないG7参加国は米国のみで、その米国も35年までの電力部門の脱炭素化目標を掲げる。

 日本政府は、途上国での石炭火力開発支援の中止や、日本国内での新設終了など、カードを小出しにする形で脱石炭を迫る勢力に抵抗してきた。最大かつ最後の課題が国内の既存炉の廃止期限だった。

 米国は11月に大統領選を控える。化石燃料の増産を訴える共和党のトランプ前大統領が再選されれば、G7の枠組みで気候変動対策を前進させることは難しい。脱石炭を先導してきた欧州諸国にとっては、今年を逃せば廃止期限の合意が当面先送りされることへの危機感もあった。

 50年までの脱炭素社会の実現に向けた国際エネルギー機関(IEA)の工程表では、先進国は30年まで、途上国は40年までに石炭火力を廃止する必要があると指摘する。「30年代前半」までの段階的廃止を掲げたG7の合意は「野心」において課題は残るが、先進国としての規範を示した政治…

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