【ドーハ(カタール)佐藤成】日本がイラクを2-0と下し、8大会連続12度目のオリンピック(五輪)出場を決めた。パリ五輪アジア最終予選(3・5枠)を兼ねた大会で、前半にFW細谷真大(22=柏レイソル)と荒木遼太郎(22=FC東京)がゴールを奪い、決勝進出を果たした。5月3日の決勝では、インドネシアを2-0と下し、初の五輪切符を手にしたウズベキスタンと対戦する。

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ベトナム1部ハノイFCの岩政大樹監督(42)は、鹿島時代にCBを組んだ大岩監督の人柄を「フラット」と表現した。

「二枚岩」と呼ばれた名コンビとして7シーズンともにプレーした元相棒について「誰かに入り込みすぎるわけでも、離れすぎるわけでもなく、必要なときに必要なことができる人。バランス感覚に優れた人」と言った。

鹿島入団1年目には、外国人ストライカーに対する重心の置き方、体の当て方、タイミングを教えてもらったことをよく覚えている。試合中のフィーリングはピッタリだった。現在も今年1月に新井場徹氏を交えて飲みに行くなど交流はあるが、逐一連絡を取るほど深入りはしてこないという。

その姿勢はチームマネジメントにも表れている。大岩監督自身が「ぼくはあまり(選手)本人たちと話をしないので。もうコーチたちに任せている」と明かすように、選手と「近すぎず遠すぎず」の距離を保って自律・成長を促す。岩政氏はそんな大岩ジャパンを遠目から見て「しっかりとした強固な組織の中で安定感のあるチーム。剛さんらしい」と評した。その上で「オーバーエージも含めて五輪に向けてどのようなチームにしていくのか。そこが個人的には楽しみ。チームってだんだん監督の人間そのままになるので」。