AKB48の柏木由紀(32)が30日、東京・秋葉原のAKB48劇場で卒業公演を行った。在籍日数は歴代最多の6233日。慣れ親しんだ劇場で仲間とファンに囲まれながら、17年以上に及んだ同グループでの活動に終止符を打った。

「AKB48」として最後のステージは、自身のラストシングルにして初単独センター曲「カラコンウインク」で幕開け。ロビーでモニター観覧するファンの姿も多く、超満員の会場で熱い声援とまなざしに包まれた。「皆さん、このあともつのかってくらいとんでもない熱量のコール」と笑顔。「私の17年間が始まった劇場で、最後の日を思う存分楽しみたいと思います!」と意気込んだ。

07年4月にデビューし、選抜回数は歴代最多の52回と、長年中心メンバーとして第一線で活躍。メンバーから「干支(えと)が一周違う」「小さい頃見てました」と明かされ、柏木も「言っちゃうよ、私がレジェンドです!」と宣言。「17年間、32歳までって、この記録はそうそうとんでもない子が出てこない限り抜かれないかな。暫定レジェンドとして名前を残せたかな!」と笑顔を見せた。

アンコールではピンクのドレス姿で登場し、初めてもらったソロ曲「夜風の仕業」を歌唱。「こうやって最後に、『AKB48に長くいてくれてありがとう』って言ってもらって…」と涙を浮かべた。「アイドル人生、本当にすてきな形で幕を閉じることができました。本当に楽しかったです!」と思いを伝えた。

3月の卒業コンサートでは涙を見せなかったため「私って泣けるんだ…」とこぼし、笑いを誘う場面も。「悲しい涙じゃなくて本当に楽しかったなって思えたから」とほほ笑んだ。サプライズで秋元康氏からの手紙が朗読される場面では、さらに涙を流し「このお手紙も含めて、17年間を肯定してもらえた気がした」と語った。

ラストはメンバーとともに「初日」を歌唱し、客席に向かって「愛を伝えてくれてありがとう。本当にうれしいです!」。ステージを去る最後の最後まで、ファンへの感謝を伝え続けた。【玉利朱音】

○…卒業後の活動について、終了後の囲み取材で「歌って踊ってステージに立つことを軸に、バラエティーやYouTubeなど楽しいと思えることをいっぱい頑張っていきたいです」と話した。今後の肩書については「臨機応変に変えようかな? アイドルとか、タレントとか」とにっこり。翌1日には、さっそくトーク番組の収録があるといい「初めて1人になってお仕事をするので、とんでもないことを言わないようにします!」。