「率先してリスクを取る」 近鉄グループHD次期社長の若井敬氏

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近鉄グループホールディングスの若井敬・次期社長=大阪市天王寺区で2024年4月25日午後3時58分、小坂剛志撮影 拡大
近鉄グループホールディングスの若井敬・次期社長=大阪市天王寺区で2024年4月25日午後3時58分、小坂剛志撮影

 近鉄グループホールディングス(HD)の次期社長に若井敬(たかし)取締役専務執行役員(64)が内定した。若井氏は経理部門が長く、社内では「会計・財務のエキスパート」として知られる。長く経営トップを務めた小林哲也会長(6月からは相談役)は「鉄道会社は先行投資型だが、今後は効率的な経営のやり方が重要だ」と手腕に期待する。

 これまでの印象的な仕事として、国際物流を手掛ける近鉄エクスプレスの完全子会社化を挙げる。主力の鉄道事業は人口減少で成長が難しく、海外ビジネスの強化が狙いだった。同じグループでも海外に拠点が多い近鉄エクスプレスと接点は多くなく、「ビジネスの進め方や考え方が大きく違う。対話を重ねながら時間をかけて(完全子会社化の)目的達成につなげた」と振り返る。

 鉄道事業は失敗が許されない「安全文化」が最優先される。だが、不動産やレジャーなどの事業では失敗を恐れてばかりでは前に進めない。「失敗を糧にして成功に向けて取り組んでいく。私自身も率先してリスクを取っていきたい」と力を込めた。

 愛知県出身。映画館を運営する「きんえい」に出向していた時期もあり、趣味は映画鑑賞。社長就任は6月の定時株主総会を経て正式決定する。【小坂剛志】

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