容疑者からスマホ複数台押収　「上から指示」と供述　那須2遺体

　栃木県那須町の河川敷で夫婦の遺体が見つかった事件で、警視庁と県警の合同捜査本部が、死体損壊容疑で逮捕した指示役とみられる男性から複数のスマートフォンを押収していたことが捜査関係者への取材で判明した。男性は「上から指示された」と供述しており、捜査本部はさらに別の指示役がいるとみて、スマホを解析するなどして詳しく調べている。

　死亡したのは、会社役員の宝島龍太郎さん（55）と妻幸子さん（56）＝東京都千代田区。捜査本部はこれまでに、夫婦の遺体を損壊したとして、死体損壊容疑で、建設業の平山綾拳（りょうけん）（25）＝埼玉県越谷市＝と知人で指示役とみられる住所・職業不詳の佐々木光（28）の両容疑者を逮捕している。

　捜査関係者によると、佐々木容疑者は「上から指示されて平山容疑者に伝えた。宝島さんのことは知らない」との趣旨の供述をしているという。また佐々木容疑者は28日に那覇市の那覇空港で身柄を確保された際に、複数のスマホを所持していた。

　平山容疑者は17日に東京都品川区内の交番に出頭する前、指示役の人物にスマホを渡していたとされる。捜査本部は、この人物が佐々木容疑者とみており、平山容疑者のスマホが含まれていないかも調べている。

　捜査関係者によると、平山容疑者は15日夜、品川区内で知人2人にセダン型の乗用車を引き渡した。捜査本部は、この2人が16日未明に品川区内の空き家のガレージで夫婦を暴行し、セダンに乗せて栃木県に向かった実行役とみて、行方を追っている。【岩崎歩、菅健吾、朝比奈由佳】