漫画の海賊版サイト、日本では消滅も世界では増加の一途 対策は?

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海賊版サイト「漫画村」で無断掲載された漫画作品=諸隈美紗稀撮影
海賊版サイト「漫画村」で無断掲載された漫画作品=諸隈美紗稀撮影

 さまざまな漫画作品をウェブ上で無断に公開されたとして、出版大手3社が海賊版サイト「漫画村」の元運営者に損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は4月18日、請求の満額に近い約17億3600万円の賠償を命じる判決を下した。出版3社は「大きな抑止につながる」と高く評価したが、一方で海外発のサイトは次々と立ち上がっている実態がある。海賊版サイトを巡る世界的な状況と課題について考えたい。

 訴状などによると、「漫画村」は遅くとも2016年2月ごろまでに開設され、18年4月に閉鎖されるまでに掲載作品数は約8200タイトル、被害額は約3200億円に達した。当時の月間のアクセス数は最大で1億に上り社会問題に。18年には、政府が特に悪質な海賊版サイトの一つに指定し、NTTグループに同サイトへの接続遮断(ブロッキング)を要請する事態に発展した。その後、元運営者は著作権法違反罪などで実刑が確定し服役した。また、同サイトに広告料を支払うことは著作権法違反のほう助に当たるとして、被害にあった漫画家の赤松健さんが東京都の広告代理店とその子会社を相手に起こした訴訟でも、22年に損害賠償が認められている。

 さまざまな出版社や通信事業者で作る海賊版対策団体「ABJ」によると、こうした対策が漫画村以外の海賊版サイトにも抑止的な効果を及ぼし、日本発の海賊版サイトはほぼ消滅したという。ただし、海外発の海賊版サイトは…

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