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小川智大は「リベロズ」 もう一人の「智さん」への思いを直撃した

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パリ五輪予選の米国戦の第1セット、レシーブする小川智大選手=国立代々木競技場で2023年10月8日、和田大典撮影
パリ五輪予選の米国戦の第1セット、レシーブする小川智大選手=国立代々木競技場で2023年10月8日、和田大典撮影

 バレーボールの守備の要、リベロ。男子日本代表は2人のリベロを擁し「リベロズ」とも呼ばれる。その一人が小川智大選手(27)=ウルフドッグス名古屋=だ。

 「自力でパリ・オリンピックの切符を取った瞬間に、代表の人たちとチームメートでいられたことや、A代表の人たちとバレーができていること自体が運が良いというか、本当に最高な環境だと思う。だから、智さんがいるから運が悪いとか、そういう考えはないです。すべてが最高に幸せなことだと思っています」

就職戦線異状あり

 「智さん」とは「リベロズ」のもう一人、山本智大選手(29)=パナソニック=のことだ。SNS(ネット交流サービス)では仲の良さも知られる。

 明治大3年の冬。直近の秋季関東大学1部リーグでリベロ賞を獲得した小川選手は、リクルートスーツに身を包んでいた。他の学生らと同様、就職活動に励んでいた。

 今ではプロ契約の選手も増えたが、こう考えていた。

 「当時は(バレー選手として稼ぐ)模範となる選手がいなくて。お金も大事で、好きなことだけでは生きていけない。人生を長い目で見た時に、中途半端に続けるぐらいなら普通の企業で働いた方がいい」

 大手企業の選考が始まろうとしていた2月ごろ、大学生世代の日本代表の強化合宿が行われ、小川選手も参加した。期間中のある日、指揮を執る早稲田大の松井泰二監督に一人、呼び出された。

 恐る恐る足を運ぶと、卒業後の進路について尋ねられた。Vリーグのチームから誘いはあったが「魅力的だと感じるチームではなく、行くつもりはない」「既に内定を得た企業もあり、将来を考えて就職活動を進めている」と伝えた。

 すると…

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