亡き父の姿思い出す 紀伊半島豪雨で水没のギャラン「復活祭」

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復活したギャランGTOに見入る故・中平幸喜さんの友人や旧車ファンら=和歌山県新宮市で2024年4月29日午後1時8分、松田学撮影 拡大
復活したギャランGTOに見入る故・中平幸喜さんの友人や旧車ファンら=和歌山県新宮市で2024年4月29日午後1時8分、松田学撮影

 2011年9月の紀伊半島豪雨で水没した往年の名車「三菱ギャランGTO」(1973年式)がよみがえり、29日に和歌山県新宮市の丹鶴ホールでお披露目された。豪雨で犠牲になった同県那智勝浦町の中平幸喜さん(当時45歳)の愛車で、「修理不能」と言われていたのを兄敦さん(65)=三重県御浜町=の知人らが公道を走れる状態にまで直した。

 この日、同ホールで敦さんが修復を進めてきた仲間と「ギャランGTO奇跡の復活祭」を開いた。駐車場に止められたギャランの周りには幸喜さんの友人や旧車ファンら約200人が集まり、運転席に座ったり「ブロロロローン」と腹にずしんとこたえる独特のエンジン音に聴き入ったりして復活を喜んだ。

 ホールのステージ上では、修復に携わった6人の業者らが「昔の車で気難しかった」「車検を通すのに行政との打ち合わせが大変だった」など、苦労話を語った。また、那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表から全員に感謝状が贈られた。

 幸喜さんの長男、史都(ふみと)さん(35)=那智勝浦町=も来場。「子どものころ助手席に乗ってよくドライブした。うれしそうに運転する父の姿を思い出す。多くの人の思いが詰まったかけがえのない車。大事に乗っていきたい」と話した。【松田学】

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