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税務署職員が育休中に2億円稼ぐ…中古車転売ビジネスは素人でも稼げるのか?

文=Business Journal編集部
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国税庁(「Wikipedia」より/っ

 税務署の職員が育児休業中に新車・中古車などの転売で2億円もの稼ぎをあげたというニュースが話題を呼んでいる。果たして素人でも車の転売でこれほど大きな利益を上げることは可能なものなのか。業界関係者の見解を交えて追ってみたい。

 副業で“稼ぎすぎてしまった”のは福島県内の税務署に勤務する20代の男性職員。育児休業を取得していた2022年8月から今年2月までの約1年半の間に、自動車62台と携帯電話4台を転売して約2億円の売上をあげたという。育児休業期間中でも公務員の身であり、規則では所属長の承認を得ずに兼業に従事することは禁止されているため、男性は国家公務法違反で停職1カ月の懲戒処分を受けた。26日付け朝日新聞記事によれば、育児休業中は無給となり共済組合から給料の半分ほどの給付金を受けており、車の転売を始めてみたところと楽しくてやめられなかったという。

「例外はあるが公務員は事実上、副業は禁止されているといっていい。2億円も稼いで停職1カ月の懲戒処分というのは軽いという見方もあるが、儲け金額の多寡に関係なく兼業禁止への罰則はそのように定められているということだろう。もし仮に税務署職員ながら転売で得た所得分について確定申告をせずに納税していなければ、もっと重い処分を受けるだろうから、さすがに確定申告はきちんとやっていたのでは。男性は自ら申し出て辞職したとのことだが、失点で今後は閑職にしかつけず将来的な出世も見込めないので、上から『解雇はしない代わりに自ら辞めるかたちにしてはどうか』とやんわり提案されたのではないかと想像できる」(国家公務員)

かなり商売の才能

 男性の行為の法律的な観点での善悪はさることながら、話題となっているのがそのビジネスセンスだ。

 車の転売ビジネスは個人でもできる。一般的に、手始めに必要なものは購入資金と車庫証明用の駐車場の確保、そして古物商許可証の取得だが、古物商許可証は警察署に申請をすれば取得できるためハードルは高くはない。販売店やネットオークション、業者オークションなどで“玉”となる車を購入。それを車の買取サイトを通じて中古車販売業者に売却するほか、「Yahoo!オークション」などのオークションサイトを通じて個人に直接販売することも可能。販売には自動車検査証、自賠責保険証明書、自動車税納税証明書、委任状・譲渡証明書、リサイクル券などを用意する必要があるが、どれも一般的な書類ばかりなので入手するのは困難ではない。

 自動車販売業界関係者はいう。

「車の転売ビジネスは『簡単にできるものなのか』といわれれば、そこそこ多くの書類を準備しなければならず、買ったり売ったりする手間もあるので、それなりに結構面倒くさい。本業が忙しい会社員などが片手間でやるのはハードルが高い。毎週土日をまるまる潰すくらいの覚悟は必要だろう。そして手間をかけられるかという話以上に重要になってくるのが、当たり前だが車に関する知識。あまり流通していないけれど一部のコアなファンは高いお金を払ってでも買うという車種が存在し、そういう車がぽろっと手ごろな価格で売りに出されているような機会を見逃さずにキャッチし、ゲットして適正な値付けをして売りに出す能力が必要。要はかなりのクルマ好きである必要があるが、そうした熱心なクルマ好きにとっては最適のビジネスともいえる。

 ただ、繰り返しになるが“そこそこ面倒”ではあるので、煩雑かつ面倒な事務作業や手続きを厭わない性格である必要がある。加えてビジネスであることには変わりなく、売り手や買い手とのやりとりも発生するので、相応のコミュニケーション能力やトラブルを回避・処理する能力は必要。そう考えると、1年半で2億円も稼ぐことができるというのは、かなり商売の才能があるといえるし、副業というレベルではなく、がっつりやらないと無理な数字」

 別の自動車販売業界関係者はいう。

「今は中古車市場が高値傾向であることも考えると、売上2億円ということは、もろもろ経費を差し引いても1千万円くらいは利益を上げたのでは。イグジット側で業者を介さずに直接、個人に売っていたのであれば、もっと高額の利益になってるかもしれない」

 前出の国家公務員はいう。

「育児休業は制度上は3歳になる前まで最長3年取得できるが、現実には男性職員で1年も取得するようなケースはほぼない。収入が大きく減るので生活できないというのもあるが、いくら国が男性の育休取得を推奨しているとはいえ、民間企業同様に役所でも職場の空気的に許されにくい面がある。この男性職員は1年半も育休を取っていたということだし、2億円も稼ぐということは本業ばりにがっつり“仕事”していただろうから、もう休業中から税務署に戻る気はなかったのではないか」

(文=Business Journal編集部)

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