首位に立つセレッソ大阪の元日本代表MF田中駿汰(26)が、古巣との2連戦に燃えている。

開幕10戦を終え、5勝4分け1敗で再び首位に浮上したC大阪は、次節5月3日に北海道コンサドーレ札幌戦(ヨドコウ)、同6日にガンバ大阪戦(パナスタ)が控える。

田中にとってはゴールデンウイーク真っただ中に、古巣2連戦が待つ。「古巣だし、絶対に負けたくない」と、まずは昨季までプロ生活の全4年間を過ごした打倒札幌を誓う。

C大阪に今季新加入した田中は、時間さえ許せば、DAZNで札幌の試合はチェックしてきた。新天地で背番号10を付けたのも、札幌MF宮沢裕樹(34)の影響があったから。「また、裕樹さんに会いたい」などと話していた。

2-2で引き分けた27日の横浜F・マリノス戦は、田中の攻撃センスが発揮された。前半53分、MF香川との連係で相手にプレスをかけ、ショートカウンターを発動。田中がスルーパスで、FWレオ・セアラの同点ゴールをアシストした。

「あそこは真司さんが出たタイミングで前に、はめにいけた。共通認識の下でチームとして、はめにいけたので、理想的なゴールだったと思う」

総走行距離も12・264キロでチーム1位。2失点はミスに近い形で献上しており「勝てた試合、もったいない引き分け。ボールも握られていたが、崩された失点ではなかった」と悔しがった。

同じ日に札幌が3-3で湘南ベルマーレと引き分けたことにも触れ、3点差を追いつかれたとはいえ「最近、調子を上げてきて、乗ったら強いチーム。自分にとっては古巣だし、絶対に負けたくない。しっかりいい準備をしたい」と、初の札幌戦に気合十分だ。

次々節5月6日は、田中がジュニアユース時代に所属したG大阪とのダービーマッチ。この冬には、G大阪からも完全移籍のオファーを受けていた。

3月の取材では、G大阪について「もちろん、テクニックの部分ではG大阪ですごく磨かれた。そこで培ったのは、間違いなく今の自分のプレースタイルへの影響があった。大事な中学の3年間だった」と、心から感謝していた。その思いも背負い、自身初の大阪ダービーに臨む。

ここまで全10試合に先発して、首位に立つチームへの貢献度は極めて高い。開幕戦こそ後半終了間際に交代したが、その後9試合フル出場を継続する鉄人が、黄金週間の主役になる。