9人組ダンスボーカルグループ、超特急の存在感が増している。4月17日発売の新曲6曲収録の初EP「Just like 超特急」を引っさげて20日から行う春ツアーは発売即完売。EP発売日の17日に行ったイベントでは平日夜にもかかわらず東京・秩父宮ラグビー場にファン1万2000人が集結するなど、“加速度十分”な勢いを感じさせている。

3月に行ったインタビューで、バックボーカルのタカシ(27)は初EPについて「これが超特急だと名刺代わりになる作品になることを目標にレコーディングしました。僕たちらしさや、いろんなジャンルの楽曲を収録できていると思います」と自信を込めていた。メイン曲「Steel a Kiss」は疾走感のある楽曲に仕上がっており、同じくバックボーカルのシューヤ(29)も「サビ前に決めゼリフもあります。かっこいい楽曲の中で、ちょっとした違和感を持たせる。そこに僕たちらしさが出ていたり、良いスパイスになっていると思います」と語っていた。

超特急は所属するスターダストプロモーションの男性アーティスト集団「EBiDAN」の長男的なグループでもある。本年度で30歳を迎えるメンバーは5人おり、節目の年への意気込みも強く感じさせている。「EBiDAN」としてはもちろん「超特急としてももっと売れていきたい」と語るメンバーは多く、今回始まったツアーにかける思いの強さも感じさせた。

衣装を担当するカイ(29)は「演出やセットリストとの親和性を考えながら、今回も楽曲のメッセージを増幅させられるか意識してスタッフさんとも打ち合わせしました。今までの超特急とは印象が違う、かっこいいものになっているなと思います」と語った。グループは結成10年の節目となった22年4月から新メンバーオーディションを開催し、同8月にメインダンサー3人、バックボーカル1人の計4人が加入。9人での新体制となった。今回は同体制2度目の春ツアーとなる。

グループの勢いに比例するように演技など個人仕事も増えている。リーダーのリョウガ(29)は「この調子でいけば夢の東京ドーム(でのライブ開催)にぐっと走り込むことができるのかなと思います。9人全員で突っ走っていくぜという覚悟がないといけないので、自覚を持ってやっていきます」。今後の活躍にも注目していきたい。【松尾幸之介】

◆超特急 11年12月25日結成。12年6月10日にシングル「TRAIN」でデビュー。15年12月に国立代々木第一体育館での2日間公演、17年6月には初アリーナツアーの追加として日本武道館公演も成功。ダンスミュージックをベースとした楽曲とフォーメーションダンスを取り入れたパフォーマンスで観客を魅了する。22年5月にカイ、リョウガ、タクヤ、ユーキ、タカシの5人に、シューヤ、マサヒロ、アロハ、ハルの4人が加わり、新体制となった。ファンの愛称は「8号車」。