パリオリンピック(五輪)アジア最終予選兼アジアカップ(杯)カタール大会準決勝日本対イラク戦が29日、行われる。

イラクを率いるラズィ監督は28日、試合会場で行われた公式会見に出席。「ドーハの悲劇」として語り継がれる31年前のワールドカップ(W杯)アメリカ大会アジア最終予選の最終戦日本戦で1点目を決めた同名のラズィ氏が、亡くなったことを明かした。

会見では日本メディアから「監督が出場し、得点を奪った1993年の日本戦…」と「悲劇」についての質問が飛んだ。笑みを浮かべたラズィ監督は「試合に出場したのは事実です。しかし、得点を決めたのは不運にも亡くなったアハメド・ラズィ氏です」と訂正した。その上で、「イラクと日本の試合はいつもハイレベルになる。そして我々が(93年に)成し遂げた結果は、いつも我々をポジティブな結果に導き、モチベーションが上がる」と語った。

イラクメディアによると、アハメド・ラズィ氏は、2020年に新型コロナウイルス感染症によって亡くなったという。

◆ドーハの悲劇 93年10月28日のW杯米国大会アジア最終予選最終戦・日本―イラクで、悲願の本大会出場まであと数分に迫っていた予選首位の日本を襲った悲劇のこと。日本は勝てば切符を得られ、イラクも可能性が残っていた。日本が2―1で迎えた後半ロスタイム、右CKから短くつながれて、まさかの失点。結局、引き分けで両国とも本大会には届かなかった。W杯へは1位サウジアラビア、2位韓国が出場し、得失点差で日本は3位に終わった。

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