「尺八音楽、世界に広げたい」 紫綬褒章の演奏家・野村正也さん

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紫綬褒章を受章した尺八演奏家の野村正也さん=名古屋市中区で2024年4月20日午前11時37分、山田泰生撮影 拡大
紫綬褒章を受章した尺八演奏家の野村正也さん=名古屋市中区で2024年4月20日午前11時37分、山田泰生撮影

 尺八演奏家、野村正也さん(66)=名古屋市=が、今年の紫綬褒章を受章した。人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定されて1年半。新たな称号に「おめでたいことが重なってうれしい」と感謝し「若い世代に向けた新しい曲作りや感動を与える演奏活動を重ね、尺八音楽を少しでも世界に広げたい」と先を見据える。

 小学生の時に父から手ほどきを受け、高校生の時に全国大会で金賞を射止めた。竹製の尺八は長さ1尺8寸(約55センチ)にその名が由来し、息を吹き込むと風の音のように響く。国内最大流派の都山(とざん)流演奏家の指導者になって今年は50年の節目という。

 芸名は「峰山(ほうざん)」で「峰山会」を主宰。9月に東京の王子ホールで「私の学んだもの」と題した記念演奏会を計画している。名古屋市在住だが、宗家のある京都や東京へ演奏や指導にと東奔西走する日々だ。

 2020年に若手演奏家で「竹の新撰組」を結成。流祖・中尾都山が明治期に作曲した本曲の伝承と新しい尺八楽を追求する。東京・紀尾井ホールで23年から定期演奏会「野村峰山と竹の新撰組」がスタート、今年2月に第2回を終えた。

 尺八の愛好家は2万~3万人と少ない。人間国宝になってテレビ出演も増えたが、「若い人にはなかなか伝わらない」と危機感を抱く。「次は有名歌手と組んで尺八の魅力を発信したい」と意気込む。【山田泰生】

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