「米一粒作れぬ私が…望外の喜び」 紫綬褒章の俳優・段田安則さん

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段田安則さん

 政府は2024年春の褒章を28日付で発表し、学問や芸術分野で功績を残した人に贈られる紫綬褒章に、俳優の段田安則さん(67)が選ばれた。29日に発令される。

 重厚な悲劇から軽妙なコメディーまで硬軟自在、達者な演技でおなじみ。「米一粒作れず、世間のお役に立っているとは思えない私が紫綬褒章を賜るとは、まさに望外の喜びです」。主演する「リア王」の旅公演中に吉報を受けた名優は、所属事務所を通じ、こうコメントを発表した。

 1981年、野田秀樹さん主宰の劇団「夢の遊眠社」に入団し、主軸として活躍。劇団解散後は、蜷川幸雄さんや栗山民也さん、三谷幸喜さんら日本を代表する演出家が手がける舞台に出演、NHKの朝の連続テレビ小説や大河ドラマでも味わい深い存在感を放つ。「俳優はゼロからは何も生み出せません。舞台の上、カメラの前に立たせてくださった方々、一緒に仕事をさせていただいた方々のお力添えに感謝いたします」

 高校生のころ演劇の魅力を知り、地元・京都では滝沢修さん主演の「セールスマンの死」に心震わせた。「漠然と俳優を志し、上京した22歳の自分に、67歳のときに紫綬褒章をいただけると言ったらどんな顔をしたでしょうか。今後もこれまでと変わらず、仕事に励む所存でございます。誠にありがとうございました」【広瀬登】

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