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【ヒャダインの温故知新アナリティクス】オーディションブームで思い出すのは…やっぱりテレ東!

2024.04.27

オーディションブーム

 いやはや、空前のオーディションブームですね。最近でも「JO1」や「INI」を生んだサバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』から「ME:I」がデビューを決めましたね。1位通過したのが元アンジュルムの笠原桃奈さんだったというのもドラマチックですよね。というのもアンジュルムは「ハロー!プロジェクト」。そう、「モーニング娘。」をはじめとしたエンターテインメント集団。その起源はテレビ東京で放送されていたオーディション番組『ASAYAN』なわけで、当時リアルタイムで『ASAYAN』を観ていた私としては感慨深いものがあります。どっちのMCもナインティナインというのも縁がありますね。

 ここで私の中の『ASAYAN』の思い出をつらつらと書いていきましょう。まず「モーニング娘。」は「シャ乱Q」プロデュースのロックボーカリストオーディションで落選した5人で結成されたグループでした。ちなみに優勝したのは平家みちよさんです。「落ちこぼれ」として集められた5人がいろんな試練に立ち向かったり、互いにセンターを争ったりと、大変にドラマチックで私を含めた視聴者はメンバーに感情移入して気づけばファンになっていました。この仕組みって、今のオーディション番組とも共通していますよね。ドラマの共有。

 あと「男子ボーカルオーディション」もありましたね、『ASAYAN』。結果「CHEMISTRY」の2人が合格して大ヒットを繰り出したのですが、落選したのがなんと「EXILE」のATSUSHIさんにNESMITHさんというお宝ザックザク。この企画でおもしろかったのがファイナリストが無作為にタッグを組んでCDを出していた、ということ。ドラマを共有していた視聴者はこぞって購入して応援したものです。 

『ASAYAN』の成功と失敗に学ぶ、ヒットの条件

 記憶の中にある『ASAYAN』の企画で一番謎だったのが「L☆aIS」です。『ASAYAN』内のコーナー「コムロギャルソン」から生まれた15人組の女性グループで、小室哲哉さんの右腕である久保こーじさんプロデュースでデビューすることを目指して切磋琢磨していたのですが、いざふたを開けたらデビュー曲はなんと小室哲哉楽曲のメドレーカバー! どひゃー。全然オリジナル曲じゃない! 同じく『ASAYAN』からTKプロデュースでデビューした「dos」が大人気だっただけあってこの格差に当時の私は愕然としたものです。当然のごとくヒットするわけもなく、パフォーマンスもやる気が感じられるものではなく即解散しましたが。

 他、河村隆一さんプロデュースグループとして「Saya Little Prayer」がデビューしたり、マックス松浦さんや浅倉大介さんプロデュースの企画があったり、と、「NijiU」の時のJ.Y.Parkのようにプロデューサーの色も出るのが特徴でしたね。オーディション後も追いかけるのが好きで、特につんく♂さんがボーカルブースに入って直接ボーカルディレクションをするのは今の私の仕事にも多大な影響を与えております。あと、いきなり「モーニング娘。」のリーダーだった中澤裕子さんが演歌デビューを決められてしまい、特に歌いたそうでもなかった演歌にチャレンジさせられているのを見て「大人って大変だなあ」と感じましたし、さらにはその演歌の営業にマネージャーとして「太陽とシスコムーン」のメンバーであった稲葉貴子さんが同行させられたり、となかなか理不尽展開も多かったです。そう考えると最近のオーディション番組はそこまで理不尽はないのかもしれませんね、SNSでの反発もエグいでしょうから。

 さて。今回の原稿で何度も出てきましたが「ドラマの共有」がオーディション番組のすべてだと思っています。素人がスーパースターになるために必死にもがき、時には泣いたり喧嘩したり、そんな人間くさいところを共有することで視聴者も参加している気分になるんですよね。ある意味「コト消費」だとも言えます。だからって「とりあえずオーディション番組やっとけ!」じゃ心をつかめないんですよね。実際、現在も2匹目のドジョウ的に乱発していますが、スベっているものも多いです。今一度、『ASAYAN』が成功したポイントと失敗したポイントを検証することでヒントが見つかるかもしれません。私は審査員とか絶対したくないけどね!

文/ヒャダイン

ヒャダインヒャダイン
音楽クリエイター。1980年大阪府生まれ。本名・前山田健一。3歳でピアノを始め、音楽キャリアをスタート。京都大学卒業後、本格的な作家活動を開始。様々なアーティストへ楽曲提供を行ない、自身もタレントとして活動。

※「ヒャダインの温故知新アナリティクス」は、雑誌「DIME」で好評連載中。本記事は、DIME5月号に掲載されたものです。

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