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26日のニューヨーク外国為替市場の円相場は対ドルで急落し、一時1ドル=158円台を付けた。1990年5月以来約34年ぶりの安値。米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げ観測が後退する一方、日銀が金融政策の現状維持を決めたことで低金利の状況が続くとの見方が強まり、円を売って高金利のドルを買う動きが活発化した。対ドルの円の下げ幅は26日だけで2円を超え、円安に歯止めがかからない状態になっている。
26日午前に米商務省が発表した3月の個人消費支出(PCE)物価指数は、前年同月比2・7%上昇で、伸び率が前月(2・5%)を上回った。PCEはFRBが物価上昇(インフレ)の動向を見極めるうえで重視している経済指標。インフレ圧力の根強さが示されたことで、市場ではFRBの利下げ開始時期が遅れるとの見方が強まった。
これに先立ち、日銀は26日の金融政策決定会合で現行の低金利政策の維持を決定。日米で大きく開いた金利差が当面は縮まらないとの見方が強まり、円売り・ドル買い取引が活発化した。
ニューヨーク市場の円相場は26日夕に一時1ドル=158円40銭程度まで下落。午後5時時点は前日比2円73銭円安・ドル高の1ドル=158円32~42銭で取引された。
市場では政府・日銀による為替介入への警戒が強まっている。2022年10月に行われた円買い・ドル売り介入は1ドル=151円90銭台で発動された。現在の円相場は当時に比べても大幅な円安となっており、鈴木俊一財務相は過度な相場変動に対しては為替介入を辞さない考えを示している。しかし、急速な円安の中でも介入が実施されないことから、市場では政府・日銀の真意を探るため、さらなる円安を試す動きも出ている。【ワシントン大久保渉】
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