<DeNA7-2巨人>◇26日◇横浜

歓喜と涙のグランドスラムだった。DeNA度会隆輝外野手(21)が1点リードの8回2死満塁、変則左腕でENEOSの先輩でもある巨人高梨のスライダーを捉え、右翼席に豪快に運んだ。新人では球団史上初となる3号満塁弾となった。試合前まで14打席無安打と苦しみ、22試合目でプロ入り後初めて1番を外れ「8番右翼」で先発したドラ1ルーキー。10試合ぶりの猛打賞で応え、チームに3試合ぶりの白星をもたらした。

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度会は常に“最後尾”から前を見続けた。学生時代、出席番号はずっと一番後ろ。「わたらい」はワ行で「わたなべ」よりも後ろだった。「スポーツも勉強もマジメに頑張ってました!と書いておいてください」と無邪気に振り返る。この日も野手の“最後尾”8番からチームをもり立てた。

そんな「度会」の名字。かつてヤクルトでプレーした父博文さんの影響で世間にも「度会」の名前は広まったが、いまだに間違えられることは多い。「渡会」と漢字を間違えられたり、読み方を間違えられたり。「『ドカイ』とか『ドアイ』とかよく言われました。最近になって『ワタライ』とは言ってもらえるんですけど、書くときになったらサンズイつけられたり。サンズイついちゃうと別人なんでね」と苦笑いする。

それでもドラフトで3球団競合で指名され、キャンプ、オープン戦、開幕と活躍を続けて露出も増えて徐々に名前も覚えられてきた。「間違えられないように、もっともっと活躍したい」。誰にも間違えられないくらい、度会隆輝の名前を日本中にとどろかせる。【DeNA担当=小早川宗一郎】