中華航空機事故から30年 慰霊式、犠牲者の冥福祈る

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慰霊式であいさつする遺族会の山本昇会長=愛知県春日井市の「やすらぎの園」で2024年4月26日午後1時25分、兵藤公治撮影
慰霊式であいさつする遺族会の山本昇会長=愛知県春日井市の「やすらぎの園」で2024年4月26日午後1時25分、兵藤公治撮影

 名古屋空港(現・愛知県営名古屋空港)で乗員乗客264人が死亡した中華航空機墜落事故は26日、発生から30年を迎えた。現場近くの慰霊施設「やすらぎの園」(愛知県春日井)で行われた慰霊式には多くの遺族らが訪れ、犠牲者の冥福を祈った。

 「私は幸せだよ。だから、何も心配しないで」。夫(当時46歳)を亡くした正木洋子さん(71)=長野県飯田市=は、献花台でじっと手を合わせた。

 母・高須しげのさん(当時55歳)を亡くした岡田智子さん(61)=愛知県岡崎市=は「元気でやってるよ」と報告した。今年1月、東京・羽田空港で起きた日本航空と海上保安庁の航空機衝突事故の映像を見た時は「本当につらかった」。ただ、乗客が無事だったことに「母は犠牲になってしまったが、(中華航空機事故の教訓が)何かの役に立ったのかな」と話した。

 今回の慰霊式では、中華航空の関係者は出席していたものの、あいさつする場面はなかった。遺族会の山本昇会長(70)によると、これまで式典では同社の関係者が式辞を述べていたが、今年は本社の意向で拒否されたという。山本会長は「今まで作ってきた関係性は何だったんだろう。許せない思いだ」と憤った。

 中華航空名古屋支店の顔子超支店長は報道陣の取材に「亡くなられた皆さんのご冥福をお祈りし、安全運行に努めて参ります」とコメントした。【加藤沙波、田中理知】

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