懸念される「原発立地自治体の責務」 核のごみ巡り 佐賀・玄海町

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文献調査の受け入れを求める請願を、賛成多数で採択した佐賀県玄海町議会の本会議=玄海町諸浦で2024年4月26日午前10時54分、森永亨撮影
文献調査の受け入れを求める請願を、賛成多数で採択した佐賀県玄海町議会の本会議=玄海町諸浦で2024年4月26日午前10時54分、森永亨撮影

 原発から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定を巡り、佐賀県玄海町議会は26日、本会議を開き、町内3団体から提出された文献調査受け入れを求める請願を賛成多数で採択した。町内には九州電力玄海原発が立地しており、原発立地自治体で調査受け入れを求める請願が採択されたのは初めて。脇山伸太郎町長が5月中に、応募するかどうかを最終判断する。

 文献調査は最終処分場選定で3段階ある調査の第1段階。市町村の判断のみで実施が決められ、受け入れれば国から最大20億円が交付される。請願は町飲食業組合や町旅館組合などが提出していた。

 本会議では「審議が尽くされていない」との意見も出たが、議長を除く9人で採決し、賛成6人、反対3人だった。本会議後に記者団の取材に応じた脇山町長は「民意が反映されたと思うので重く感じている」と語る一方、「文献調査を受けることが、なし崩し的に最終処分場(建設)になるものとは考えていない」と強調した。

 林芳正官房長官は26日午前の記者会見で玄海町での動きについて「文献調査に関心をもっていただきありがたいと考えている。地域における議論の状況を注視した上で適切に対応したい」と語った。

「一石投じるインパクトはあるが……」

 佐賀県玄海町議会が最終処分場の調査受け入れを検討するなかで、賛成派が多用する言葉が「原発立地自治体の責務」だ。現状は最終処分場を受け入れるのではなく、あくまで全国的な議論を喚起することが目的とするが、言葉をそのまま受…

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