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糖尿病治療のための運動を「独断で行うと危険」な理由とは? 専門医が解説

 更新日:2024/04/12
必ず主治医の指示に従って!

糖尿病の運動療法は、合併症があったり、内服治療をしていたりするケースでは、マイナスに働く可能性もあるそうです。運動療法は主治医の指示に従うべき理由を、清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニックの清水先生に解説してもらいました。

※この記事はMedical DOCにて【糖尿病の運動療法・有酸素運動は「できることから」。強度ではなく、継続が大事】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

清水 裕史

監修医師
清水 裕史(清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック)

プロフィールをもっと見る
1999年名古屋大学医学部卒業。春日井市民病院、公立西知多総合病院内分泌・代謝内科部長、独立行政法人地域医療機能推進機構中京病院内分泌・糖尿病内科診療部長兼糖尿病センター長などを経て、2020年清水ヶ岡糖尿病内科・皮フ科クリニック開院。専門分野である糖尿病や高血圧症など生活習慣病を中心に、これまでの経験を活かして甲状腺疾患なども診察。地域のかかりつけ医として、感冒や花粉症などの一般内科治療のほか、予防接種や健康診断などの予防医療にも力を入れている。

編集部編集部

運動療法を行う際の注意点などはありますか?

清水先生清水先生

空腹時血糖が250mg/dl以上と高値の場合や、血糖のコントロールが不良な1型糖尿病の患者さんの場合などには、運動中に高血糖になる恐れがあります。また、反対に経口血糖下降薬を内服している場合や、インスリン注射を行っている場合などは、運動中に低血糖を生じる恐れも懸念されます。しかし、それらの場合にも、運動療法は積極的に行ったほうが良いとされているため、基本的には血糖値や症状に応じて対策を取りながら、運動療法を進めていきます。

編集部編集部

高血糖の場合や血糖値のコントロールが不良の場合には、どんな対策を取れば良いのでしょうか?

清水先生清水先生

対策などは、血糖値や症状によって異なるため、ご自身の判断では難しいでしょう。そのため、対策や注意点についても主治医の指示に従ってください。一例を挙げるとしたら、運動は低血糖を起こす心配のない食後に行うほか、万が一低血糖を生じた場合にすぐ口にできるブドウ糖やジュースなどを持っておくと良いでしょう。また、運動の前後には体を慣れさせるために、しっかりと準備運動や運動後のクールダウンを行うことも重要ですね。

編集部編集部

運動療法が制限される場合などもあるのでしょうか?

清水先生清水先生

血糖値のコントロールが不良の場合や合併症をきたしている場合などは、運動療法を制限することがあります。運動療法が制限される合併症は、網膜症によって眼底出血を生じているときや、虚血性心疾患で心臓や肺機能に異常がある場合、足の壊疽(えそ)を起こしている場合、腎不全の場合などがあげられます。

編集部編集部

では、独断で運動を行わない方が良いのですね。

清水先生清水先生

そうですね。合併症がある場合や内服治療をしている場合などは運動によってかえって不調を来す恐れもありますので、独断では行わず、主治医の指示に従って行ってください。

編集部編集部

ありがとうございました。最後に読者の皆様へメッセージをお願いします。

清水先生清水先生

糖尿病を発症している場合には、持続可能な運動を続けていくことが大変重要です。お金を払ってジムなどへ行く必要はなく、家の中でもできる運動や普段の生活の延長線で継続できるような運動を続けていきましょう。また、運動の方法がわからないという場合には、専門医に相談しましょう。中には運動が制限される場合や運動時に注意が必要な場合もありますので、くれぐれも独断では行わず、主治医の指示に基づいて行ってください。

この記事の監修医師

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