滑稽さの中ににじむ人情、噺に厚み 人間国宝・五街道雲助が一門会

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五街道雲助=橘蓮二撮影
五街道雲助=橘蓮二撮影

 「おさまり返るようなことはいたしません」。昨年、落語家として4人目となる人間国宝に認定された五街道雲助は、そんな思いを口にしていた。その言葉通り、高座は自然体で硬軟自在。ワルの魅力も健在だ。4月20日に東京・渋谷のさくらホールで開かれた、らくご来福落語会「五街道雲助一門会~雲助祭り的な~」では、弟子3人とともに「精鋭ぞろい」の一門の魅力を堪能させた。

 この日、トリで登場した雲助は「幾代餅」。吉原のおいらん、幾代太夫の絵姿に一目ぼれして恋わずらいになった搗(つ)き米屋の職人・清蔵と、幾代太夫の純愛物語が軸となるが、清蔵を取り巻く市井の人々を活写し、噺(はなし)の厚みを生む。情緒的になりすぎず、滑稽(こっけい)みでさらりと聴かせるのが雲助流だ。

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