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2脚2輪のドイツ日記

ベルリン支局・五十嵐朋子記者が車いすユーザーの夫との暮らしを通じ、ドイツと日本の違いや「共生」について考えます。

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2脚2輪のドイツ日記

大切な「先駆者」の存在 夫の帯同と海外出産を決断した理由

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パラカヌーの練習をする五十嵐朋子記者の夫・諏訪正晃=東京都江戸川区の旧中川で2021年9月13日午前11時9分、五十嵐朋子撮影
パラカヌーの練習をする五十嵐朋子記者の夫・諏訪正晃=東京都江戸川区の旧中川で2021年9月13日午前11時9分、五十嵐朋子撮影

 車いすユーザーの夫を連れてドイツの特派員になり、そこで出産するつもりだと言うと、たまに「すごいね」と言われる。何を成し遂げたわけでもないからすごくないが、やっぱり珍しいかなと思う。こうなった経緯を記してみたい。

 夫の諏訪正晃(38)とは、社会部で2021年の東京パラリンピックを取材していた時に知り合った。夫は東京パラは逃したが、世界選手権に出場歴もあるパラカヌーの選手だったからだ。パラスポーツにもバリアフリーにも特段、詳しくなかった私(記者、38歳)は、今考えるとおかしいけれど、夫を取材するにあたり、どんな「配慮」が必要かあれこれ考えていた。

 そこで、取材場所だったセルフサービスの喫茶店で、夫のコーヒーを運んであげようとした。車いすの人がコーヒーのトレーを持つと車輪を操作しづらいからだ。すると夫は…

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