昔は「ベトナム」、今は「ガザ」 米大学で広がる反戦デモ 逮捕者も
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米国各地の大学で、イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃に対する抗議活動が相次いでいる。活動は人種や宗教の壁を超えて広がり、一部では逮捕者も出るほど過熱。イスラエルの最大の政治的、軍事的後ろ盾となっている米国で一体何が起きているのか。
「ガザが泣いている。これ以上の犠牲は容認しない」。4月23日、ニューヨーク市マンハッタン地区の公園には、隣接するニューヨーク大の学生ら数百人が集まって気勢を上げていた。白人、黒人、アジア系と人種はさまざまで、アラブ系だけが多いわけではない。パレスチナに連帯を示そうと、伝統の織物「クーフィーヤ」を頭に巻き付けている人もいる。
デモ隊は「ジェノサイド(集団虐殺)戦争」と書かれたプラカードを掲げてガザで多数の民間人が犠牲になっていることに抗議し、「パレスチナに自由を!」と唱和して叫んでいた。
怒りの矛先は大学にも向かい、「シオニスト(イスラエル支援者)の献金者は大学から手を引け」と要求する姿も見られた。大学や警察とのトラブルを警戒し、身元が特定されないようにサングラスやマスクを着けている学生も多い。
同大の博士課程に在籍するミシュアルさん(32)は「バイデン大統領はガザへの攻撃を続けるイスラエルに対して民間人の保護を優先するよう求める一方、軍事支援も続けている。言動が一致していない」。ミランダさん(23)も「米国の支援を受けたイスラエルの行為は、帝国主義によるパレスチナの植民地化だ」と訴えた。
米国では1960年代、ベトナム戦争に介入する政権に抗議する反戦運動が学生の間で始まり、公民権運動や労働運動とも結びついて世界的なうねりになった。ガザ情勢を巡って若い世代を中心に高まる批判はいま、バイデン政権に向かい、11月の大統領選に影響しかねないとの見方も出ている。
◆
イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降、米国の大学では抗議活動が続く。マンハッタン地区のニューヨーク大では4月22日、数百人が敷地内の広場を占拠し、許可なく抗議活動を展開。大学の要請を受けたニューヨーク市警によって、133人が秩序を乱したなどとして逮捕されたばかりだった。
なぜ米国でパレスチナに共感する若者が増えているのか。…
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