「宝物を見せる神殿ではない」 開館の豊田市博物館が目指すもの

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完成し、開館式が行われた豊田市博物館=愛知県豊田市で2024年4月25日、兵藤公治撮影
完成し、開館式が行われた豊田市博物館=愛知県豊田市で2024年4月25日、兵藤公治撮影

 愛知県豊田市の市博物館が26日に開館するのを前に25日、開館式や内覧会があった。「みんなでつくりつづける」を運営理念に掲げ、建築家の坂茂(ばんしげる)さんが、隣接する市美術館と一体的になるよう設計した。村田眞宏館長は「博物館は宝物を見せる神殿ではなく、市民が集う広場にしたい」と話す。

 坂さんは建築界のノーベル賞といわれる「米プリツカー賞」を2014年に受賞、各地の被災地支援活動にも力を入れる。市博物館について「文化の拠点としてだけでなく、防災拠点としての役割も担う」と説明する。

完成した豊田市博物館の常設展示室=愛知県豊田市で2024年4月25日、兵藤公治撮影
完成した豊田市博物館の常設展示室=愛知県豊田市で2024年4月25日、兵藤公治撮影

 4階建てで、木造の開放的なエントランスが目を引き、人のにぎわいを生む「えんにち空間」を設けたのが特徴。被災地で使用する紙管(紙の筒)をカフェなどの資材に採用した。

 常設展示室には豊田市の多様な自然などを紹介する巨大な棚を設置したほか、市民から収集した「記憶」にまつわる品々を展示する。国重要文化財の収蔵品としては、豊田大塚古墳出土の装飾須恵器や織田信長像(長興寺蔵)を公開する。

 愛知県内に新しい博物館が誕生するのは19年の刈谷市歴史博物館以来5年ぶりで、改修中の名古屋市博物館に次ぐ規模という。【山田泰生】

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