#MeToo契機の元プロデューサー 有罪判決を一部破棄 NY最高裁

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裁判所に出廷したハーベイ・ワインスタイン受刑者=米ロサンゼルスで2022年10月4日、AP 拡大
裁判所に出廷したハーベイ・ワインスタイン受刑者=米ロサンゼルスで2022年10月4日、AP

 米国の有名映画プロデューサーだったハーベイ・ワインスタイン受刑者(72)による性的暴行事件で、米東部ニューヨーク州の最高裁判所は25日、1審の有罪判決を破棄し、再審を命じる決定を下した。起訴の対象となった被害者のほかに被害を訴えた女性らの証人尋問を認めたことが不公平だったと結論付けた。

 ワインスタイン受刑者は西部カリフォルニア州でも別の性的暴行事件で禁錮16年の有罪判決を言い渡されたため、釈放はされず服役を続ける。

 ワインスタイン受刑者はヒット映画「恋におちたシェイクスピア」などを手掛け、ハリウッドで絶大な影響力を誇っていた。権力を利用して性的暴行やセクハラを繰り返した疑惑が2017年に表面化し、ニューヨーク州では女性2人への性的暴行の罪などで20年に禁錮23年の判決を受けた。事件は多くの女性が性暴力を告発する「#MeToo」運動のきっかけとなった。

 最高裁の決定を受けて、ワインスタイン受刑者から性被害を受けたとする女性たちの弁護人は「性暴力の責任を問う上で大きな後退だ」とする声明を発表した。「被告の意図や手口などに関して(有罪か無罪かの評決を下す)陪審員が理解するために、裁判所は起訴されていない(事件の)証拠を一般的に認めている」と指摘。「被害者がさらに法廷に立つことを求められる点で、評決の破棄は悲劇的だ」とした。一方、ワインスタイン被告の弁護人は米紙ニューヨーク・タイムズに対し、「ニューヨーク州の刑事(裁判)の全ての被告にとって大きな勝利だ」と最高裁の決定を歓迎。「被告が裁判で持つべき最も基本的な原則を支持した裁判所を称賛する」と述べた。【ニューヨーク中村聡也】

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