BTS事務所、子会社代表を刑事告発 兵役もシャーマンに依頼

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緊急記者会見を開いたADOR代表のミン・ヒジン氏=ソウルで4月25日、ロイター
緊急記者会見を開いたADOR代表のミン・ヒジン氏=ソウルで4月25日、ロイター

 世界的な人気音楽グループ「BTS」が所属する韓国の大手芸能事務所「HYBE」は25日、子会社「ADOR」の幹部らが独立を画策したとする問題で、ADOR代表で有名プロデューサーのミン・ヒジン氏を業務上背任容疑で告発すると発表し、ミン氏に辞任も求めた。また、ミン氏はBTSが兵役に就くようシャーマンの女性に呪術行為を依頼するなど、日常的にシャーマンから経営指南を受けていたと指摘した。

 HYBEはミン氏らが経営権を得るために、HYBEが保有しているADORの株を売却させようとしたりした疑いがあるなどとして、内部監査をしていた。無料通信アプリを通したミン氏とシャーマンの女性とのやりとりが見つかったとして、詳細を明らかにした。

緊急記者会見を開いたADOR代表のミン・ヒジン氏(右端)=ソウルで4月25日、ロイター
緊急記者会見を開いたADOR代表のミン・ヒジン氏(右端)=ソウルで4月25日、ロイター

 HYBEの発表によると、2021年にシャーマンの女性は「3年以内に全てのことをやりとげるだろう」と独立を示唆するような連絡をミン氏にしていた。ミン氏は新たなレーベルの設立や自身が保有しているHYBEの株の売却時期なども女性に相談していた。

 ミン氏は人事採用についても女性に相談。女性が肯定的な評価をした人の大部分が選考を通過し、一部はADORに在籍しているという。女性が自身の顧客の入社志願書をミン氏に送るケースもあった。

 さらに、ミン氏は「(BTSが)いない方が私に得だ」としてBTSが兵役に行くよう女性に呪術行為を依頼した。ミン氏と女性がHYBEの経営陣を対象に呪術を使ったとみられる内容もあった。

 HYBEは「これ以上経営を任せられないほど深刻な問題が明らかになっているにもかかわらず、ミン氏が辞任に応じず、経営に深刻な支障をきたしている」とのコメントを発表した。

BTSのデビュー10周年を祝う横断幕。日本のファンが制作したとみられる=ソウルで2023年6月13日、日下部元美撮影
BTSのデビュー10周年を祝う横断幕。日本のファンが制作したとみられる=ソウルで2023年6月13日、日下部元美撮影

 HYBEによると、監査質問書を通じてこれらの事実確認を求めたのに対し、ミン氏はすべて否定する答弁書を提出したという。

 ミン氏は25日に緊急記者会見を開き、シャーマンの女性について「ただの知り合いだ」と主張。独立計画についても、HYBE側の「謀略」と否定している。

 ADORには日本や米国でも人気の女性グループ「NewJeans」が所属している。ミン氏は最大手韓国プロダクションの「SMエンターテインメント」で「少女時代」のディレクションなどを務め、21年にADORを設立。NewJeansは米ビルボードのメインアルバムチャートで1位を獲得した。【ソウル日下部元美】

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