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「雨垂れ石を穿つ」とはどういうシーンで使う故事成語?

2024.04.25

日本酒の銘柄にもなっている「雨垂れ石を穿つ」。努力を継続することの大切さを説いた前向きなことわざで、自身を奮い立たせるため、また人を励ますためなど日常生活からビジネスシーンまで、幅広い場面で活用できる言葉だ。

本記事では、「雨垂れ石を穿つ」の正しい意味と由来について解説する。類語や対義語、英語表現も併せてチェックしてほしい。

故事成語「雨垂れ石を穿つ」とは? 

積み重ねるイメージ図

「雨垂れ石を穿つ」は、中国の漢書を由来に持つことわざ。はじめに意味や由来、具体的な使い方について詳しくみていこう。

読み方は「あまだれいしをうがつ」、意味は? 

「雨垂石を穿つ」の読み方は「あめだれいしをうがつ」。たとえ小さな力でも粘り強く積み重ねていけば、成果を得られることを意味する言葉だ。

少しずつ滴り落ちる雨垂れであっても、それが長く同じ場所に落ち続けると、やがて硬い石にも穴をあけられるという例えから生まれたことわざ。

由来は中国の漢書

由来は漢書の『枚乗(ばいじょう)伝』の一節にある「泰山の雨の滴りは石を穿つ」(中国語では「泰山之霤穿石」)。泰山とは、中国の山東省泰安市にある名山のこと。山から染み出る雨の雫が滴り落ちるだけでも、それが繰り返されると石に穴を開けるということを表現しており、どんな小さな事柄でもそれが積み重なるといずれは大きな災いになってしまうということを例えたものである。小国の王が反乱を起こそうとした際に、それを阻止するために家臣が言った言葉だ。

ことわざでは、「小さなことでも積み重ねることで大きなことを達成することができる」という前向きな意味で用いられるが、由来となっている元の言葉は「小さな災いの積み重ねがやがて大きな災いを生む」という戒めの意味で使われている。

「雨垂れ石を穿つ」の使い方

では、どんなシーンで使える言葉なのか見ていこう。

使い方

ポジティブな意味を持つ故事成語なので、「雨垂石を穿つ」は座右の銘や目標を話すシーンで活用しやすい。

また、ビジネスシーンでは自身の努力が成果に結びついた時、同僚や部下を励ましたい時に使ってもいいだろう。

例文

では、具体的にどのようなシーンで「雨垂石を穿つ」を使えばいいのだろうか。以下の例文をチェックしてほしい。

・「私は雨垂れ石を穿つを座右の銘とし、毎日地道なトレーニングに取り組んできた。その結果が、今大会の優勝へと繋がったと思う」

・「雨垂れ石を穿つと言うが、毎日の小さな業務にも集中して取り組んだおかげか遂に昇進が決まった」

・「入社時は成績が伸び悩んでいたが、雨垂れ石を穿つと考え、日々コツコツと努力を重ねて、営業成績一位を獲得することができた」

・「雨垂れ石を穿つという言葉もあるのだから、まだ成果が見えないからと言って簡単に諦めてはいけない」

雨垂れ石を穿つの関連語と英語表現

雨垂れ石を穿つの関連語をチェック

次に、雨垂れ石を穿つの類義語や対義語、英語表現を紹介する。違う角度から言葉を掘り下げれば、さらに知識を深められるはずだ。

類語

「雨垂れ石を穿つ」と似た意味を持つことわざはたくさんあるが、ここではその中から2つ類義語を紹介する。

点滴穿石(点滴石を穿つ)

点滴穿石(てんてきさいせき)は、「雨垂れ石を穿つ」を別の言い方で表したもので、全く同じ意味を持つ四字熟語。「点滴石を穿つ(てんてきいしをうがつ)」と訓読みで表現されることもある。

塵も積もれば山となる

日常生活でも耳にする機会も多い「塵も積もれば山となる(ちりもつもればやまとなる)」。塵のように一つひとつは取るに足りない小さなことでも、それが積み重なると、いずれは山のように大きなものになるという意味を持つ。なお、こちらは「小さなことでも疎かにしてはいけない」という戒めの意味としても使用される。

対義語はある?

「雨垂れ石を穿つ」には明確な対となることわざがないが、少し違ったニュアンスで反対の意味を表す言葉がある。こちらも併せてチェックしてほしい。

焼け石に水

「わずかな努力や援助では何の役にも立たないこと」を例えたことわざ、焼け石に水(やけいしにみず)。小さな努力の積み重ねの大切さを説く「雨垂れ石を穿つ」に対し、小さな努力が無駄であることを表現している点から反対の意味に近い。しかし、こちらはさまざまな過程を経て既に深刻化してしまった事態に対して使われるため、結果までの積み重ねの過程について説く「雨垂れ石を穿つ」とはその点で少し異なっている。

英語における表現 

「雨垂れ石を穿つ」を英語にすると「Constant dripping wears away the stone」となるが、英語圏で一般的に使われることわざとしては「Rome wasn’t built in a day」が近い意味合いを持つ。これは「ローマは一日にして成らず」という意味で、日本語でもよく聞く表現だ。ローマのような偉大な首都は1日で完成したわけではないことから、大業を成し遂げるには時間を要することを表現している。小さな努力の積み重ねについて言及しているわけではないが、長い時間をかけて大きな達成に繋がることを表している点で、「雨垂れ石を穿つ」と近い英語のことわざと言える。

文/oki

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