自らの病気で気付き 塩分抑えた健康弁当、レストラン経営者が発売

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
栄養バランスを考え、味にもこだわった「からだデリ」を勧める大橋さん=福岡県みやま市瀬高町のレストラン橋の店舗前で2024年4月17日、降旗英峰撮影 拡大
栄養バランスを考え、味にもこだわった「からだデリ」を勧める大橋さん=福岡県みやま市瀬高町のレストラン橋の店舗前で2024年4月17日、降旗英峰撮影

 狭心症と脳出血を患った大橋茂光さん(66)が営む福岡県みやま市瀬高町下庄の「レストラン橋」など筑後地区の3飲食店が25日から、塩分を抑え健康を考えた弁当「からだデリ」を発売する。大橋さんの小中学の同級生が社長を務める調理コンサルタント会社が献立を提供する。

 大橋さんは若いころからお酒が好きで「ビール、焼酎、ワインと常に酒が目の前にあった」と言う。それがたたり2021年夏ごろ胸部に異変を感じて受診したところ狭心症と診断され、狭さくした血管にステント(網目状の筒)を入れる手術を受けた。23年冬ごろには居酒屋で飲食中に倒れ、救急搬送され脳出血で1カ月入院した。

 一方、同級生の田崎和弘さん(66)が社長を務める調理コンサルタント会社「グローカル・アイ」(大阪市)は13年ごろから、医療機関と国の「日本人の食事摂取基準」に準拠する料理を研究し、1食で野菜を100グラム以上摂取、塩分を2・5グラム未満、エネルギーを650キロカロリー以下程度にする献立「からだデリ」2000件を作り上げた。

 田崎さんが4月、弁当として販売することを大橋さんに打診すると、自らの病気を省みて健康な食生活を広げたいと考えていた大橋さんは快諾し、近隣の飲食店仲間も誘った。同社から献立の提示を受けながら弁当を作っていく。17日に「レストラン橋」で試食会があり、鶏のじぶ煮、レンコンのヒジキ煮などを使った弁当が披露された。

 大橋さんは「早めの受診や搬送のお陰で回復したが、対応が遅ければどうなっていたか……。成人病は怖い。健康的な食生活を送ってほしい」と話す。

 「デリ」はデリシャス(英語で「おいしい」)の意味を込めており、ショウガを使って風味を出すなど工夫している。田崎さんは「味もこだわっている。健康で活力ある地域が築けるよう貢献したい」と話す。

 「レストラン橋」(0944・62・2827)の他、同市山川町甲田の弁当店「喜家(よろこびや)」(090・9075・0610)、久留米市三潴町玉満の同「ふんばり」で販売する。1個550円で前日までに各店に予約する。今後、大川市の「三川屋」、大牟田市の「キュリアス」などでも取り扱う予定。【降旗英峰】

あわせて読みたい

アクセスランキング

現在
昨日
SNS

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月