障害者の虐待、"入所施設"で起きやすい理由 防止策に「交換留学」

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入所者に日常的な暴行をした疑いで職員らが逮捕された岸和田光生療護園=大阪府岸和田市で2024年4月25日午前10時50分、斉藤朋恵撮影
入所者に日常的な暴行をした疑いで職員らが逮捕された岸和田光生療護園=大阪府岸和田市で2024年4月25日午前10時50分、斉藤朋恵撮影

 大阪府岸和田市の障害者支援施設「岸和田光生療護園」で、入所者に対して日常的に暴力を振るった疑いがあるとして職員3人が逮捕された。事件になるのは一部だが、障害者施設での虐待事案は全国で相次いでおり、2022年度には1000件近くに達した。専門家は「もう何十年も続く悩ましい問題だ」と嘆く。なぜ繰り返すのか。防止のためには「交換留学」のような制度が必要だという提案もある。

 大阪府警は25日、岸和田光生療護園の職員ら3人を暴力行為等処罰法違反(常習暴行)容疑で逮捕した。逮捕容疑はそれぞれが2月下旬の数日間にわたり、身体・知的障害のある入所者の男性(当時50歳)の顔を殴ったり、体を蹴ったりする暴行を繰り返したとしている。

 このような事件は後を絶たない。東京都青梅市の障害者施設で22年3月、入所者の男性を殴ってけがをさせたとして、警視庁が職員の男性を傷害容疑で逮捕した。大阪府高槻市の障害者施設では23年10月、入所者の腹部を蹴ってあばら骨を折る重傷を負わせたとして、大阪府警が元職員の男性を傷害容疑で逮捕した。

 厚生労働省のまとめでは、障害者施設の職員らが虐待に関わったとする相談・通報件数は22年度に4104件あった。このうち956件は実際に虐待だと判断された。障害者への虐待を禁止し、発見時には市町村への通報を義務づけた障害者虐待防止法が12年に施行されて以降、いずれも過去最多となった。

 虐待が起きた施設の種別をみると、…

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