北海道銀行の巨大レリーフ、撤去 「貴重な文化財」 再展示目指す

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レリーフの樹脂板のビスをインパクトドライバーで慎重に取り外す作業員=札幌市中央区で2024年4月24日、安味伸一撮影
レリーフの樹脂板のビスをインパクトドライバーで慎重に取り外す作業員=札幌市中央区で2024年4月24日、安味伸一撮影

 北海道銀行本店が入っていた札幌市中央区の道銀ビルディングで、彫刻家の本郷新らが制作した巨大なレリーフ「大地」の撤去作業が24日まで行われた。96枚のポリエステル樹脂板が一枚ずつ慎重に取り外されていった。ビル完成から60年にわたって展示されたが、再開発に伴うビル解体のため撤去が決定。しばらくは市内の道銀施設で保存する。

 レリーフは横41メートル、高さ3.3メートル。日本の近代彫刻を代表する本郷、山内壮夫と佐藤忠良の3人が、北海道の産業をモチーフとした雄大な構想のもとで共同制作し、1964年のビル完成に合わせて設置された。

取り外した樹脂板は一枚ずつ木箱に入れられ、保護材を使って丁寧に梱包されている=札幌市中央区で2024年4月24日、安味伸一撮影
取り外した樹脂板は一枚ずつ木箱に入れられ、保護材を使って丁寧に梱包されている=札幌市中央区で2024年4月24日、安味伸一撮影

 樹脂板はこれまで「93枚」と公表されていたが、撤去にあたり精査したところ、96枚あることが判明した。展示中は見られなかった裏側は鉄枠に固定。取り付け金具は樹脂板の厚みに応じて異なるものもあった。撤去作業は23日に始まり、一枚ずつ木箱に入れて保護材で丁寧に梱包(こんぽう)。この作業は今週末ごろまでかかるという。

 道銀広報CSR室の坂野公紀室長は「貴重な文化財であり、多くの人に鑑賞していただける場所に再展示を目指したい」と説明。作業を見守った本郷新記念札幌彫刻美術館の吉崎元章館長は「樹脂の作品が一般化されていない時代に軽量化のため強度を意識して丁寧に作られていた」と話した。【安味伸一】

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