年々進化する「ど派手」成人式衣装 九州の玄関口で出張展示

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北九州市の成人式で有名になった「ど派手」な衣装やJR九州とコラボした新作などが並ぶ展示場で、笑顔を見せるデザイナーの池田雅さん=北九州市のJR小倉駅で2024年4月23日午後2時8分、植田憲尚撮影 拡大
北九州市の成人式で有名になった「ど派手」な衣装やJR九州とコラボした新作などが並ぶ展示場で、笑顔を見せるデザイナーの池田雅さん=北九州市のJR小倉駅で2024年4月23日午後2時8分、植田憲尚撮影

 「ど派手な衣装」の若者が集まることで有名な北九州市の成人式。その奇抜な衣装がJR小倉駅の在来線ホームにある特設スペースで出張展示されている。式当日に現地へ行かずとも、北九州の若者の熱気の一端に触れることが可能だ。九州の玄関口の駅に飾られた衣装は一体、どんなものなのか。

 北九州市の成人式(二十歳の記念式典)は、毎年参加者が着用するきらびやかな羽織はかまなどが話題になっている。それらを手がけるのが地元の貸衣装店「みやび」(北九州市小倉北区)。元々はブライダル衣装専門だったが、20年ほど前に地元の若者から「成人式で金と銀のはかまを着たい」と頼まれ、制作を始めた。

 続けるうち、評判を呼んで依頼が増え「先輩が着ていた服よりも派手にしたい」と年々衣装は進化。「九州の恥」と批判の声が寄せられることもあったが、そのファッション性が世界からも注目され始め、2023年のニューヨーク・ファッションウイーク、24年のパリコレクションと、世界の名だたるファッションショーに登場している。

 今回の出張展示は「今や北九州の新たな文化になっており、駅のにぎわいを作りたい」とJR九州が「みやび」に打診して実現した。

北九州市の成人式で有名になった「ど派手」な衣装やJR九州とコラボした新作などを前に笑顔を見せるデザイナーの池田雅さん(左)とJR小倉駅の松尾宜彦(たかひこ)駅長=北九州市のJR小倉駅で2024年4月23日午後2時16分、植田憲尚撮影 拡大
北九州市の成人式で有名になった「ど派手」な衣装やJR九州とコラボした新作などを前に笑顔を見せるデザイナーの池田雅さん(左)とJR小倉駅の松尾宜彦(たかひこ)駅長=北九州市のJR小倉駅で2024年4月23日午後2時16分、植田憲尚撮影

 展示場所はJR小倉駅5、6番乗り場にある旧喫煙ルーム。4~5年前の成人式で新成人が実際に着た虹色の襟巻きにヒョウ柄のはかまや、トラがモチーフでニューヨーク・ファッションウイークでモデルが着用した衣装の計2点のほか、新作として、JR九州の観光列車「36ぷらす3」や「かんぱち・いちろく」をイメージした衣装も計2点が飾られている。

 「かんぱち・いちろく」の衣装は黒と金を基調に、車体の側面に描かれている鉄道路線図からヒントを得て金色のチェーンをあしらった。列車のイメージに合わせてやや控えめなデザインにはなったが、本来の車体に使われた金色よりは派手めのトーンにしているという。

 「みやび」のデザイナーで店主の池田雅さん(52)は「成人式だと年1回しか見ることができないが、ここなら長い間見てもらえる。少しでも地域の盛り上げに役立てば」と話した。

 展示は9月26日まで。観覧無料だが、構内に入るための入場券か乗車券が必要。期間中に一部展示を入れ替えるという。【植田憲尚】

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