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ミャンマークーデター

ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏らを拘束。市民や国際社会からは抗議と批判が相次いでいます。

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タイ政府、ミャンマー情勢に積極関与 国境付近での戦闘激化受け

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ミャンマーとの国境近くで警戒するタイ国軍の兵士ら=タイ北西部メソトで2024年4月12日、AP
ミャンマーとの国境近くで警戒するタイ国軍の兵士ら=タイ北西部メソトで2024年4月12日、AP

 タイのセター政権が緊迫するミャンマー情勢への関与を強めている。背景には、国境周辺でミャンマー国軍と民主派や少数民族の武装勢力との戦闘が激化し、影響を看過できなくなっていることがある。同時に、人道問題でリーダーシップを発揮することによって、国際社会での存在感を強める狙いもありそうだ。

 ミャンマー東部のカイン州ミャワディは国境貿易の要衝で、従来住民らが国境に架かる橋を渡って、タイ側のメソトと行き来してきた。2021年2月のクーデター以降は、戦禍を逃れる人の越境が目立つようになった。カイン州では最近になって情勢が急速に悪化。国軍の拠点都市でもあるミャワディを巡り、抵抗勢力との間で激しい攻防が繰り広げられている。

 多くの兵士が投降し、避難民も急増している。地元メディアによると、今月20日から21日にかけて3000人以上がタイ側に流入した。戦闘の様子はメソトからも目視できるほどで、銃弾が国境を越えて住宅に当たったとの報道もある。タイ国軍は国境付近に兵士を展開し、混乱が広がることに警戒を強めている。セター首相は「タイ領土への波及は許さない。国境と国民の安全を守る」と述べる一方で、「人道支援を提供する用意もある」とミャンマー側に呼びかけた。

 パーンプリー外相も、国境周辺の秩序維持のため10万人の避難民を受け入れる用意があると表明し、支援に前向きな姿勢を見せている。3月末にはミャンマー国軍も同意のうえで、支援物資を届けるための「人道回廊」を設け、メソトから食糧などを積み込んだトラックをカイン州に送った。赤十字を通じて約2万人に物資を届けたという。

 クーデターから3年が…

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