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漆黒の闇の中、恐る恐る車から降りて空を見上げると満天の星が目に飛び込んできた。場所は「日本の渚(なぎさ)・百選」にも選ばれている茨城県高萩市の高戸小浜海岸。打ちつける波の音と「ガサッ」と背後で物音がするたびにおびえながら、三脚を設置した。絞りをほぼ開放して、シャッタースピードを20秒に。一定間隔で撮影を繰り返す「インターバル撮影」に設定し、約1時間撮り続けた。専用のソフトで100枚近くの写真を合成すると、切り立った断崖と松林の向こうに流れるような星の動きが浮かび上がった。
県内は、都心部で少なくなった貴重な漆黒の夜が数多く残っている。たまには明かりを消して空を見上げてみるのも良いかもしれない。【西夏生】