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筒香嘉智、なぜこれほど愛される? 球団「ファンの反応予想以上」

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DeNAの入団記者会見で、ユニホームを着て三浦大輔監督(右)と握手する筒香嘉智選手=横浜スタジアムで2024年4月18日午後6時25分、前田梨里子撮影 拡大
DeNAの入団記者会見で、ユニホームを着て三浦大輔監督(右)と握手する筒香嘉智選手=横浜スタジアムで2024年4月18日午後6時25分、前田梨里子撮影

 「横浜DeNAベイスターズ」の象徴とも言える選手が、5年ぶりに帰ってきた。2019年オフにポスティングシステムで米大リーグに渡った「ハマの大砲」こと筒香嘉智選手が4月、復帰することが決まった。3年契約で背番号は懐かしい「25」。本拠地・横浜スタジアムで行われた公開入団記者会見には約9600人のファンが駆けつけ、既に大きな期待が集まっている。

 「ネット上のファンの反応は我々の予測も超えていました」。DeNAの広報は振り返る。復帰が発表されたのは、16日午後2時25分。「225」=「筒香」というシャレだった。ところが、ネット上のファンは「午後」にも注目。「GOGO 筒香だ」と盛り上がったが、広報は「そこまで考えていませんでした」と苦笑する。

 なぜ、これほど愛されるのか。それは筒香選手の歩みが暗黒時代からの再生を果たしたベイスターズと軌を一にしてきたからだ。

 入団会見で筒香選手は語った。「僕が入団した時はスタンドに空席が目立つような状態。球団の努力もあり、僕がアメリカに行くころには、毎試合満員の状態でプレーできていました。その中でプレーできる選手は、非常に幸せなんじゃないかなと思っています」

 10年に地元の名門・横浜高からドラフト1位で入団。だが、当時のベイスターズのAクラス入りは05年の3位が最後と、長らく低迷していた。さらに、10年の主催試合の観客動員数は120万9618人(1試合平均約1万6800人)でセ・リーグ最少。赤字は毎年20億円と言われ、親会社のTBSホールディングスは球団売却を模索していたほどだ。

 筒香選手が入団した10年の秋には住宅設備大手への売却話が浮上するが、横浜からの本拠地移転などで折り合いがつかず破談となる。翌11年にTBSから現在のDeNAへの売却が決まるが、異例の「身売り騒動」の渦中に入団したのが筒香選手だった。

巨人との2軍戦に出場するため、球場入りするDeNA・筒香=神奈川県横須賀市で2024年4月20日 拡大
巨人との2軍戦に出場するため、球場入りするDeNA・筒香=神奈川県横須賀市で2024年4月20日

 ただ、翌12年からは球団の地道な努力が実り、徐々に経営状況は改善。18年には球団史上初めて主催試合の年間の観客動員数が200万人を突破し、今では球界屈指の人気球団となった。筒香選手も主力に成長し、16年には44本塁打と110打点で2冠に輝き、チームも11年ぶりのAクラス入りを果たした。

 米国での4年あまりは出場機会に恵まれず、実戦経験が不足している。国内復帰決定後、初の実戦だった20日の巨人との2軍戦でも適時打は放ったが、まだまだスイングは本来の力強さがなかった。

 だが、会場で2軍施設と隣接する横須賀スタジアムには午前4時台からファンが並び始め、最終的に2950人が来場。打席のたびにかつても使われていた応援歌が歌われた。

 試合後、筒香選手も「久しぶりの試合で高ぶるものはあった。試合で振ったからこそ分かる感覚というものが久しぶりに体の中に入ったので、非常に良かった」と手応えを語った。以前痛めていた腰の状態も万全という。

 チームは「2番・一塁」だったオースティン選手が負傷離脱。左翼を定位置としていた佐野恵太選手が一塁に回り、外野は若手を起用しているが、攻撃力が不足しているのが現状だ。コンディションが整い次第、1軍に昇格する可能性は高そうだ。「ハマスタ」で筒香選手のフルスイングが見られる機会も近いだろう。【岸本悠】

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