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第82期名人戦七番勝負(毎日新聞社、朝日新聞社主催)の第2局が23日、千葉県成田市の成田山新勝寺で始まった。名人戦の対局者として2回、新勝寺を訪れた立会の森内俊之九段(53)は「藤井聡太名人(21)の充実ぶりが際立っているが、挑戦者の豊島将之九段(33)が何とか食らいつき、名人を追い詰めていく戦い方ができると盛り上がる。早く1勝を返して最後までどちらが勝つか分からないシリーズになれば」と挑戦者の反転攻勢に期待を込めた。
森内九段にとって成田は、祖母の出身地であり、後援会もあってなじみが深い。市制施行50周年の2004年、60周年の14年に続き、70周年の今期も開催地となった。
過去2回はともに森内九段と羽生善治九段(53)との対決だった。「20年前は自分が乗っていた時期。A級順位戦をいい成績(9戦全勝)で挑戦権を得た。前向きな気持ちでこちらでの開幕局で勝利し、4勝2敗で(名人位を)奪取して自分の中でも大きな節目になった。10年前は不調で、名人戦でも押され気味で(3連敗と)結果が出ずにこちらに来て、こちらで1勝目を挙げたいと臨んだが終盤の逆転で負けてしまい、残念ながら失冠となったシリーズだった」と当時を振り返る。
立会と立場を変えて3回連続で成田の地を踏んだ。藤井名人の強さを「自分から崩れることがほとんどなく、常に高い精度を保ち続けている」とたたえつつ、「棋王戦から後手番の時は今までの戦い方とは違った変化を見せており、それが名人戦でも続くかどうか」とも語り、後手番での戦い方に注目した。
一方の豊島九段については「AI(人工知能)研究を初期から取り込み、かなり深く定跡を掘り下げるスタイルだったが、最近は独自の工夫を取り入れている。名人戦第1局でも前例のない力戦形になり、後手番にもかかわらず早めに不利感を解消していた。本局も早めに差を付けて維持できると先行きが開ける」と、以前との変化を口にした。
第2局は、相掛かりの出だしから豊島九段がひねり飛車を見せて藤井名人の対応を尋ねた局面で1日目の昼食休憩に入った。「豊島九段の方が珍しいスタイルの戦い方を選び、早い段階で前例の少ない形になった。互いに構想が難しい将棋で、すぐに激しくなるか、駒組みが続くか、分岐点を迎えている」と今後の展開を予想した。【丸山進、新土居仁昌】
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