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私立・国立中の受験者数が首都圏で過去最多に。少子化が進む中、受験熱は地方にも広がっています。

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令和のリアル 中学受験

「パパが勉強見てよ」 中学受験の伴走者交代は突然に

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受験が迫るも、子供のモチベーションがあがらないときもある
受験が迫るも、子供のモチベーションがあがらないときもある

 「やる気が無いなら受験なんかやめなさい!」

 妻が怒鳴ると同時に、参考書がゴミ箱めがけて飛んでいった。

 「嫌だ。やめない!」

 4年生の長男の絶叫も部屋にこだました。

 2022年の年明けごろ、大輔さん(47)が仕事から帰宅すると、リビングでは怒声が飛び交っていた。長男が1年前に塾通いを始めてから日常となった光景に、ため息が出た。

 <主な内容>
 ・受験勉強で家庭が修羅場
 ・受験決断のきっかけ
 ・父と母の温度差
 ・伴走はだれがする
 ・上がらないモチベーション
 ・受験が残したもの

 「やる気が無い時もあるから仕方ないよ」

 家庭を守るつもりの仲裁も、まさに火に油。ボルテージが上がった妻は浴びせかけるように言った。

 「だったらパパが勉強みてよ!」

 このままでは自分がもたないと訴える妻に反論もできず、口をついてしまった。

 「分かったよ。それなら俺がやる。その代わり絶対口を出すなよ」

 長男の中学受験に二人三脚で寄り添う2年間の「伴走」の日々はこうして突然始まった。

きっかけは担任の一言

 大輔さんも妻も地方都市の公立中学校に通った。長男が通う東京都郊外にある公立小学校も、中学受験する児童は少数派。中学受験といえば「記念受験」を意味した。

 こうした背景か…

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