「パパが勉強見てよ」 中学受験の伴走者交代は突然に
毎日新聞
2024/4/23 15:30(最終更新 4/23 16:35)
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「やる気が無いなら受験なんかやめなさい!」
妻が怒鳴ると同時に、参考書がゴミ箱めがけて飛んでいった。
「嫌だ。やめない!」
4年生の長男の絶叫も部屋にこだました。
2022年の年明けごろ、大輔さん(47)が仕事から帰宅すると、リビングでは怒声が飛び交っていた。長男が1年前に塾通いを始めてから日常となった光景に、ため息が出た。
<主な内容>
・受験勉強で家庭が修羅場
・受験決断のきっかけ
・父と母の温度差
・伴走はだれがする
・上がらないモチベーション
・受験が残したもの
「やる気が無い時もあるから仕方ないよ」
家庭を守るつもりの仲裁も、まさに火に油。ボルテージが上がった妻は浴びせかけるように言った。
「だったらパパが勉強みてよ!」
このままでは自分がもたないと訴える妻に反論もできず、口をついてしまった。
「分かったよ。それなら俺がやる。その代わり絶対口を出すなよ」
長男の中学受験に二人三脚で寄り添う2年間の「伴走」の日々はこうして突然始まった。
きっかけは担任の一言
大輔さんも妻も地方都市の公立中学校に通った。長男が通う東京都郊外にある公立小学校も、中学受験する児童は少数派。中学受験といえば「記念受験」を意味した。
こうした背景か…
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