豊島九段の初手・2六歩に藤井名人が8四歩　第2局は相掛かり戦に

　藤井聡太名人（21）に豊島将之九段（33）が挑戦する第82期名人戦七番勝負の第2局（毎日新聞社、朝日新聞社主催、大和証券グループ協賛、千葉県成田市など地元主催）が23日、成田市の成田山新勝寺で始まった。同寺での名人戦は10年ぶり3回目。藤井名人が開幕戦に続く連勝で初防衛に向け勢いを加速させるか、5期ぶりの名人復位を目指す豊島九段が対藤井戦の連敗を10で止め、反転攻勢に出るか。

　定刻の午前9時、立会の森内俊之九段が対局開始を告げると、先手番の豊島九段は気息を整えて2六歩と飛車先の歩を突いた。藤井名人も8四歩と突き、互いに飛車先の歩を伸ばして相掛かりの戦いに進んだ。

　豊島九段は飛車先の歩を切ってから2六飛（17手目）と浮き飛車に構えた。ここまではスラスラと進んだが、ここで藤井名人の手が止まった。26分考えて3四歩と角道を開けると、豊島九段も慎重に17分使って7六歩とし、両者の角がにらみ合った。名人は飛車先の歩を切り、挑戦者は3四の歩を狙って3六飛と寄った。

　解説の渡辺和史六段は「豊島九段はひねり飛車を視野に入れていると思う。足早な現代将棋と昔の将棋とのハイブリッドのような戦型になった」と話した。【新土居仁昌、丸山進】