「議会の修正予算は法律違反」 広島・安芸高田市長が審査申し立て

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広島県安芸高田市の石丸伸二市長 拡大
広島県安芸高田市の石丸伸二市長

 広島県安芸高田市の石丸伸二市長は22日、同市の「議会だより」の発行経費が計上された今年度予算は地方自治法に違反しているとして、同法に基づき県に審査を申し立てたと明らかにした。石丸市長が発行経費を計上しなかった当初予算案に対し、議会側が経費を追加した修正予算案を3月に可決していた。県は22日に受理し、23日から90日以内に予算の議決を取り消すかどうかを決める。

 石丸市長によると、2022年11月号の「議会だより」に9月議会での自身の答弁が要約して掲載された。石丸市長は「的を外したまとめ方になっている」として訂正を求めたが、議会側が要約に不適切な点はないとして訂正に応じなかったため、石丸市長は今年度の「議会だより」の発行経費を当初予算案に計上しなかった。

 一方、市議会側は発行経費約199万円を追加する修正予算案を今年3月の市議会で可決。石丸市長は「市長の予算提出の権限を侵害された」として議会に対し再議を求めたが、結論は変わらなかったため県に審査を申し立てた。発行経費は予算に組み込まれたが、石丸市長は執行を保留している。

 石丸市長は22日の定例記者会見で「安芸高田市の話だけでは収まらず、二元代表制の根幹を揺るがす事案だ」と述べた。発行責任者の大下正幸議長は取材に対し、「議会だより」の要約について「市議会は適切と判断した。石丸市長との認識が違うだけ。あとは知事の判断をあおぐしかない」と話した。【安徳祐】

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