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小林製薬の紅こうじサプリメントの摂取者に健康被害が確認された問題をきっかけに、サプリの安全性に関心が集まっている。健康志向の高まりからサプリの市場は拡大してきた。だが、食品安全に詳しい立命館大学客員研究員、畝山智香子さんは「いつかは今回のような問題が起こると思っていた」と語る。
――著書「『健康食品』のことがよくわかる本」(日本評論社、2016年)で、紅こうじサプリの危険性について指摘していました。
◆紅こうじサプリの成分である「モナコリンK」(ロバスタチン)は米国ではコレステロール値を下げる医薬品なので、ダイエタリーサプリメント(栄養補助食品)の成分としては使えません。また紅こうじも種類によっては、腎臓の病気を引き起こす恐れがある「シトリニン」というカビ毒を作り出すこともあり、欧州では販売が規制されている国があります。
「紅こうじ」成分が入ったサプリについて、海外の複数の安全評価機関が健康被害のリスクを指摘し、使用しないように助言していました。小林製薬はその情報を提供していなかったのは問題だと思います。
――ただ、小林製薬は、想定していない物質として、青カビが産出する「プベルル酸」が見つかったと明らかにしています。通常の製品なら健康被害は起きなかったのではないですか。
◆プベルル酸が注目されていますが、サプリには多くの成分が含まれています。ほかの成分が何か悪さをしていない保証はありません。
――サプリ自体、リスクがあるのはなぜですか。
◆日本では、消費者庁への届け出で体への働き(機能性)を表示できる機能性表示食品という仕組みがあり、多くはサプリとして販売されています。しかし、…
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