雨中の決戦で、阪神才木浩人投手(25)が中日打線を封じ3度目の完封勝利を挙げた。53分遅れの試合開始。プレーボール直前にも砂がまかれる状況だった。ぬかるむマウンドでも、集中を乱さなかった。

「力を入れて投げると、だいぶ足が滑った。力を抜いて、カウントを取りにいくような感じで落ち着いて投げられました」

7回3安打無失点で8奪三振。スライダーを効果的に使い、三塁すら踏ませなかった。7回表終了時点で球審が降雨コールドを告げた。22年9月1日の広島戦以来、自身2度目の降雨コールドによる完封劇。「ラッキーと言ったらあれですけど。こんな状況だったので、最低でも5回まではしっかりいこうと思っていました」と振り返った。

前回14日から、2週連続の中日戦で連勝。22年には3試合で防御率0・56、昨季は4試合で同1・29と、2年連続セ・リーグ球団で最も好相性の相手だ。竜キラーぶりは今年も健在だ。

ヒーローインタビューでは、決勝弾の同学年佐藤輝とともに選出された。「打でああやって打ってくれて、守りは自分がしっかりゼロを重ねられたのは、すごくうれしいです」。オフには村上、栄枝、岩田、浜地、佐藤蓮を含めたメンバーで同学年会を開催した。才木いわく「基本全員ガヤ」という食事会。にぎやかで仲の良い7人の中でも、2人は絶妙な相性を見せていた。

「自分は、ただマイペースにボケるだけ(笑い)。輝は僕らのボケを聞いて、笑いながらツッコんで飯食う、みたいな感じ」

息の合ったコンビネーションを、この日はグラウンドでも発揮。投打で勝利をもたらした。

岡田監督も「きょうは才木が一番やりたかったみたいでね。それに値するピッチングをしてくれました」と評価。今季2勝目で、防御率1・04はセ・リーグ3位だ。「日曜日の男」が、冷静にゼロを積み重ねていく。【波部俊之介】

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