オリックス宮城大弥投手(22)が今季初完投で2勝目を挙げた。開幕戦で敗れたソフトバンクを5安打1失点に抑え、リベンジに成功した。9回は2死から一、三塁とされ、1発なら逆転サヨナラ。ここで4回にソロを浴びた近藤を渾身(こんしん)のスライダーで空振り。今季初2桁となる11個目の三振だった。

「そこまで三振を取れるピッチャーでもなかった。日頃の練習の成果が出て、うれしい。最後の最後まで、しっかり強い球で勝負することを心がけた」。プロ通算37勝目(19敗)。そのうち日曜日は15勝5敗と強さを誇る。今季初の「サンデー宮城」がデータ通りの強さを示した。

1人で投げ抜き、駒不足だったブルペンも救った。救援投手が3連戦初戦に4人、延長12回の前日2戦目は7人も登板。この試合前には、急きょ大阪から宇田川とルーキー高島が1軍に呼び寄せられていた。

「長いイニングを投げたい意識だった。中継ぎ陣の先輩が『頑張れよ』って圧をかけてくれたんで。実行できて良かった」。宮城はそう言ってニヤリと笑ったが、その内幕を最年長41歳の比嘉が明かした。

「誰も圧とか、かけてないですよ。でも昨日、一昨日の感じから長いイニングを投げたい中で、それを実行できるのは本当にすごい。ブルペンでみんなで『すげえ、すげえ』って言いながら見てました」

同僚からも絶賛される姿は、山本由伸が移籍した投手陣の中で、少しずつエースの風格が備わってきているようだ。そんな左腕の活躍で、チームは再び勝率5割に戻った。【大池和幸】