新潟医療福祉大がトップチームの貫禄を見せつけ、同大の3rdチームに当たるNUHW FCを4-0で下して同校対決を制した。

前半6分、青森山田高出身のMF田沢夢積(ゆづむ、3年)が先制点を奪うと、後半にMF松本天夢(4年)が2点、FW吉田晃盛(3年)が1点を追加した。5月5日の決勝はJAPANサッカーカレッジと県代表の座を懸けて戦う。

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青森生まれのアタッカーが、大勝に導く先制点を奪った。田沢は前半6分、右サイドを抜け出した吉田の折り返しに走り込むと、利き足と逆の右足ダイレクトでゴールネットを揺らした。「GKが大柄だったのでコースを狙うことと、ふかさないことを意識した。練習通り」。3年生ウインガーの先制点を呼び水に、チームは後半に3点を追加して同校対決を制した。

左サイドを強気にえぐるドリブルとクロスが最大の武器。左右両足から放つシュートも持ち味で、3月17日に行ったアルビレックス新潟との練習試合(4○2)では後半に1ゴールをマークした。「プロから得点できたことで自信は深まった。いい感覚で試合に臨めている」。この日の前半は縦突破を警戒されたが、後半にギアを上げて攻撃をけん引した。

青森山田高3年時に全国総体、プレミアリーグ、全国選手権の3冠を達成。「勝利に徹する姿勢は今も持ち続けている」。青森山田中から6年間、共闘したFC東京MF松木玖生(20)は現在、U-23日本代表の主力としてパリ五輪アジア最終予選を戦っている。「玖生の活躍は刺激になるし、悔しい気持ちもある。追いつきたい」と強い思いを言葉に込める。

「夢積」という名は、小さい夢をコツコツと積み上げ、大きな夢をかなえて欲しいという意味が込められている。天皇杯はプロのスカウトへの絶好のアピールの場ともなる。「県予選決勝で必ず勝って本戦に進む。強気に仕掛け続ける」。チームの勝利とプロ入りをつかむため、ゴール、アシストを積み上げていく。【小林忠】

◆田沢夢積(たざわ・ゆづむ)2003年(平15)10月1日生まれ、青森市出身。青森FC-青森山田中-青森山田高。21年全国総体優秀選手。22年高校選抜。168センチ、68キロ。利き足は左。

○…司令塔の松本が2得点をマークした。1-0の後半13分、「自分でもビックリ。年に1、2回あるかどうか」と笑うヘディングを決め、3-0の同44分にはPKを冷静に沈めた。1度目のキックは味方がゴールより先にペナルティーエリア内に進入したため取り消しとなったが、2度目のキックもしっかりと決めた。「毎日(味方の)GKに聞きながら自主トレしている。決勝も自分たちらしいサッカーで勝ちたい」と話した。