北海道コンサドーレ札幌はホームでサンフレッチェ広島に1-1で引き分けた。前半10分、MFスパチョーク(25)が今季初得点を決めて先制。後半5分に同点に追いつかれ、2試合ぶり勝利を逃した。リーグ戦3戦無敗(1勝2分け)で、今季負けなしと好調な相手に勝ち点1を積み上げるも、2試合ぶりに最下位に再転落した。

先制後は、開幕から無敗で2位につける相手に防戦一方だった。試合後、ペトロビッチ監督(66)は「評価できる勝ち点1」と前向きに捉えたが、GK菅野は「率直に悔しい」と残念がり、主将のMF荒野は「ここ最近のホームゲームは勝ち点3を取れる内容だと思うので、しっかり取り切らないといけない」。受け止め方もそれぞれだった。

立ち上がりは幸先良かった。足首の負傷から4試合ぶりにリーグ戦に復帰したスパチョークが開始10分、ペナルティーエリア手前から右足で先制ゴールを決めた。来日3年目のタイ代表の今季初得点。「自信を持ってシュートした」。ただ、最終的に放ったシュートは計4本で、相手からは4倍以上の18本浴びた。先制後の前半26分の連続枠内シュートを菅野が体を張ってセーブするなど我慢したが、チャンスが少な過ぎた。

17日のルヴァン杯アウェーアスルクラロ沼津戦(3-1)から中2日。同日に試合がなかったサンフレッチェ広島の方が体力面で分があった。それでも指揮官は勝つために、アスルクラロ沼津戦で20人メンバー入り可能なところ、北海道コンサドーレ札幌U-18の2選手も含めた18人に限るなど策は打った。広島戦先発のうちスパチョーク以外の10人を札幌に残して連戦を回避。フレッシュな状態で臨ませた。

次節は27日にホームで18位湘南ベルマーレと対戦する。降格圏内同士の直接対決。「勝ち点3が必要。自分が貢献できたら」とスパチョーク。勝ち点3を手にしていれば降格圏脱出に成功していたが、結果は再び最下位。満足していれば、残留が遠のく。それが札幌が置かれている現状だ。【保坂果那】