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14億の選択・インド総選挙

人口14億人、有権者およそ10億人。「世界最大の選挙」と言われるインド総選挙と社会の変化を現場から報告します。

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14億の選択・インド総選挙

インド総選挙、立て直し図る名門政党の苦悩 BJPの党勢急拡大

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インドの最大野党・国民会議派のビベク・タンカ連邦議会議員=インドの首都ニューデリーで2024年3月30日午後4時55分、川上珠実撮影
インドの最大野党・国民会議派のビベク・タンカ連邦議会議員=インドの首都ニューデリーで2024年3月30日午後4時55分、川上珠実撮影

 インドの最大野党・国民会議派といえば、かつて英国からの独立運動の中心となり、マハトマ・ガンジーや初代首相ネールらを輩出した名門政党だ。しかし、近年は与党インド人民党(BJP)の人気に押され、支持率は大きく水をあけられている。国民会議派は、今回の総選挙を「民主主義を守る戦い」と位置付けるが、その訴えはどこまで市民に浸透するのか。

 14億人が暮らす世界最大の民主主義国、インドの総選挙の投票が19日に始まり6月1日まで行われる。選挙戦を通じてインド社会の現状や課題を探る=随時掲載

 「これが民主主義のインドとしての、最後の総選挙になるかもしれない」。取材に応じた国民会議派幹部で連邦議会議員のビベク・タンカ氏(67)は、そう語気を強めた。

 国民会議派は2月に記者会見し、「政党の銀行口座が凍結され、活動できない状態に追い込まれた」と主張した。党の収入を適切に申告しなかったことなどが理由とされる。弁護士資格を持ち、国民会議派の法務も担当するタンカ氏の説明によると、3月末までに計約350億ルピー(約646億円)の追徴金を請求されたという。

 タンカ氏は当局による不当な嫌がらせだとした上で「資産をすべて売り払っても支払えない」と嘆く。

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